「メジャートーナメント連覇を狙う王者」EURO2020フランス代表の戦力と注目選手を解説

4−2−3−1を基本フォーメーションとしていますが、近年は3バックも積極的に採用して戦術の幅を広げています。攻守の切り替えが早いサッカーを得意としています。

現在の代表チームは、2018ロシアW杯で優勝したメンバーが多く残っておりチーム力は全く衰えていないように感じます。ロシアW杯で活躍した中盤のポール・ポグバやエンゴロ・カンテ、圧倒的なスピードで若くしてワールドクラスの選手に成長したキリアン・エムバペなどの主力選手以外にもダヨ・ウパメカノやタンギ・エンドンベレ、エドゥアルド・カマヴィンガなどの新戦力も近年招集されており、EURO本戦の最終メンバーが注目されます。

 フランス代表のチーム紹介

現在開催中のUEFAネーションズリーグ2020−2021では、グループで同居したポルトガル・クロアチア・スウェーデンとの強豪国対決を制し、見事決勝ラウンドへ駒を進めています。

1998年自国開催のW杯で当時チームキャプテンとして優勝に貢献したディディエ・デシャン監督が2012年から現在の代表チームの指揮を取っています。

フランス代表は他人種による多様性を持ったスタイルでロシアW杯を制覇しました。様々な国にルーツを持つ選手が代表に集まっていることによって、多種多様な選手を生かした、固定しないチームスタイルがフランスの最大の特徴だと言えます。

その反面、各年代にトップクラスのタレントを揃えながら、これまでチーム内での内戦や監督との対立が起こった過去があり好不調の波が激しいチームとしても知られています。

監督就任後に自身もバスクにルーツを持つ現指揮官は素晴らしい手腕で個性派集団に規律と誇りを取り戻させ、結束力の高いチームに仕上げました。まとまりのある現在の代表チームが今大会でも監督の期待にしっかりと応えてくれるはずです。

フランス代表のEURO2020の予選戦績

EURO予選では、トルコ、アイスランドが同居するグループHを8勝1分け1敗と危なげない試合運びで2位トルコを突き放し首位通過しました。

予選ではロシアW杯で中心選手として優勝に貢献したアントワーヌ・グリーズマンが7アシスト、ベテランストライカーのオリヴィエ・ジルーが最多得点数を上げる活躍を見せました。

今回はそんなフランス代表のEURO本大会に向けた「予想される代表メンバー」「チームの戦術」「注目選手」などを徹底解剖し、皆さんにご紹介したいと思います。

2010年南アフリカW杯では、数々のスキャンダルによってグループステージ最下位という屈辱の結果に終わったフランス代表。2012年に就任したディディエ・デシャン監督の下、かつての力を徐々に取り戻し前回大会2016年EUROで準優勝、2018年W杯で20年ぶりの優勝を果たしました。

現在、世界王者として君臨するフランス代表が新型コロナウイルスの影響により1年延期された今年のEURO本大会でどのような戦いを見せてくれるのか注目されます。

【フランス代表のEURO予選結果】

HOME AWAY
第1節 モルドバ 1-4 フランス
第2節 フランス 4-0 アイスランド
第3節 トルコ 2-0 フランス
第4節 アンドラ 0-4 フランス
第5節 フランス 4-1 アルバニア
第6節 フランス 3-0 アンドラ
第7節 アイスランド 0-1 フランス
第8節 フランス 1-1 トルコ
第9節 フランス 2-1 モルドバ
第10節 アルバニア 0-2 フランス
順位 チーム 試合
1 フランス 10 8 1 1 25 6 19 25
2 トルコ 10 7 2 1 18 3 15 23
3 アイスランド 10 6 1 3 14 11 3 19
4 アルバニア 10 4 1 5 16 14 2 13
5 アンドラ 10 1 1 8 3 20 -17 4
6 モルドバ 10 1 0 9 4 26 -22 3

フランス代表のフォーメーション

■フランス代表予想メンバー

GK ウーゴ・ロリス トッテナム
スティーブ・マンダンダ マルセイユ
マイク・メニャン リール
アルフォンス・アレオラ フラム
DF リュカ・ディニュ エヴァ―トン
レオ・デュボア リヨン
リュカ・エルナンデス バイエルン・ミュンヘン
フェルランド・メンディ レアル・マドリード
レイヴァン・クルザワ PSG
プレスネル・キンペンベ PSG
クレマン・ラングレ バルセロナ
サミュエル・ユムティティ バルセロナ
バンジャマン・パヴァール バイエルン・ミュンヘン
ラファエル・ヴァラン レアル・マドリード
クル・ズマ チェルシー
ダヨ・ウパメカノ ライプツィヒ
アイメリック・ラポルテ マンチェスター・シティ
MF エンゴロ・カンテ チェルシー
スティーブン・エンゾンジ レンヌ
ポール・ポグバ マンチェスター・ユナイテッド
アドリアン・ラビオ ユベントス
エドゥアルド・カマヴィンガ レンヌ
ムサ・シソコ トッテナム
コランタン・トリッソ バイエルン・ミュンヘン
タンギ・エンドンベレ トッテナム
フセム・アワール リヨン
FW ウィサム・ベン・イェデル モナコ
キングスレイ・コマン バイエルン・ミュンヘン
ナビル・フェキル ベティス
オリヴィエ・ジルー チェルシー
アントワーヌ・グリーズマン バルセロナ
アントニー・マルシャル マンチェスター・ユナイテッド
キリアン・エムバペ PSG
マルクス・テュラム ボルシアMG

フランス代表の戦術・特徴

攻守の切り替えの早さと充実した戦力

各ポジションにワールドクラスの選手を揃いレギュラー争いも激しいフランス代表ですが、全体的にフィジカルとスピードに優れた選手を起用するケースが多く、ポゼッション重視のサッカーではなく攻守の切り替えの早さが特徴です。

以前は心配されていた守備面も、3バック、4バックともヴァランを中心に安定感があります。スピードに優れたサイドバックの選手の勇敢なオーバラップもチームの武器となっています。所属クラブで安定したプレイを見せる選手をデシャン監督は積極的に代表に招集しており、激しいレギュラー争いとなりそうです。

変幻自在に戦い方を使い分ける試合巧者ぶり

現在のフランス代表は、相手チームの戦術によって試合途中でも変幻自在に戦い方を変えられるしたたかなゲーム運びができるチームです。攻撃的な戦術を取る相手チームに対してはしっかり守備を固めることから入ります。

守備、中盤が連動して相手の攻撃の芽を摘み取り、スピードのある前線選手に素早くボールを繋ぎゴールを奪います。オフェンスの選手も豊富な運動量で前線からの守備を全くいとわず、フィールドプレーヤー全員が献身的なプレーでチームの勝利に繋げます。

フランス代表の注目選手

注目選手 ① ポール・ポグバ

ダイナミックでエレガントなプレーが特徴のセントラルミッドフィールダーです。191cmと大柄ながら足元のテクニックが非常に優れた選手で、攻撃時のダイナミックなドリブルと強烈なミドルシュートは迫力があります。

フィジカルの強さとリーチの長さを活かしたキープ力はワールドクラスで正確に長短のパスを使い分ける技術もあり、味方へのアシストが得意です。積極的に高い位置を取ることが多い選手で中盤でペアを組むカンテとバランスよく持ち味を分担しています。

2018ロシアW杯で大活躍した彼が、EURO本戦でさらにパワーアップした姿を見せてくれるのか注目されます。

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注目選手 ② アントワーヌ・グリーズマン

センターフォワード以外にトップ下やウイングなど前線であればどのポジションでも高いレベルでプレー可能な彼はモダンなストライカーと言えるでしょう。

裏へ抜けるスピードとタイミングに加え、巧みなボール捌きでフィニッシャーとしてもチャンスメイカーとしても一級品のプレーを見せることができる技巧派な選手です。

今回のEUROでデシャン監督が、グリーズマンをどの対戦国にどのポジションで使ってくるのか個人的に気になるところです。また彼の得点の際の観客を惹きつけるパフォーマンスにも注目です。

注目選手 ③ キリアン・エムバペ

怪童と呼ばれるフランス代表ナンバーワンの加速力を持つキリアン・エムバペは今大会のキーマンです。

19歳の若さでロシアW杯に出場した彼は、大会中に世界中のサッカーファンに強烈なインパクトを残し現在は最も移籍金の高い選手にまで評価を上げました。

エムバペの特徴は、爆発的なスピードと高い得点能力です。瞬発力を活かした個の力で相手守備に穴を開けることができます。近年はシュート技術のレベルが上がり、さらに手のつけれない選手になりました。

センターフォワード、ウイングのどちらでもプレーが可能なユーティリティ性も魅力的なエムバペが普段通りのパフォーマンスを披露できれば、フランスの3度目のヨーロッパチャンピオンへの道にぐっと近づくのではないでしょうか。

注目選手 ④    ラファエル・ヴァラン

フランスが誇るディフェンスリーダーで現在27歳のヴァランは若くしてレアル・マドリードのスタメンに定着したエリートです。

ローラン・ブランやフェルナンド・イエロの後継者と言われる彼の特徴はセンターバックに求められる部分の全てにおいて非常に高いレベルでプレー可能なところです。

スピード・パワー・高さ・テクニックにおいて世界最高峰のセンターバックと言えるでしょう。ディフェンダーもタレントが豊富に揃うフランス代表ですが、故障などのトラブルがなければデシャン監督も信頼を置く彼のスタメンでの出場は揺るがないのではないでしょうか。

ベテラン選手のような落ち着きとピンチの場面でも崩れないクールな表情で、今大会も味方選手に安心感を与えてくれるでしょう。

フランス代表EURO2020の見どころ

スタメン確保を狙うCBの熾烈なポジション争い

ワールドクラスのセンターバックを擁するフランス代表のレギュラー争いは、現在はヴァランとラングレがペアを組む機会が多いですがPSGのキンペンベやマンチェスター・シティのラポルテ、ロシアW杯でレギュラーを務めたバルセロナのユムティティも控えています。

その他にチェルシーに所属するズマや現在注目株のライプツィヒ所属ウパメカノがおり、今後所属クラブでの更なる活躍次第では序列が入れ替わるかもしれません。メンバー入りを果たすのがどの選手になるのか注目されます。

兄弟でメンバー入りを狙う注目の左サイドバック

左サイドのレギュラー争いも激しいフランス代表ですが、現在はリュカ・ディニュ・フェルランド・メンディ・リュカ・エルナンデスの3選手で争っている状況です。

3選手以外にPSGのレイヴァン・クルザワもいます。また、まだ代表に招集されてはいませんがリュカ・エルナンデスの弟の現在ミランでプレーするテオ・エルナンデスは超攻撃型SBと言われている注目の選手ですので、左サイドの熾烈な争いに今後加わる可能性があります。

リュカとテオの兄弟選出が叶うのか注目されます。

エムバペの次に続く代表入りを狙う期待の新星

19歳で出場した2018年ロシアW杯で世界に衝撃を与えたキリアン・エムバペに続く注目の若手選手としてレンヌに所属する現在18歳のエドゥアルド・カマヴィンガはEURO本戦のメンバーに選出されるのか非常に注目を浴びています。

現在多くのビッグクラブから注目を浴びているアンゴラ生まれの彼の特徴は、18歳ながら総合力の高い万能型の中盤選手です。代表チームで近い将来ポグバとカンテを脅かす存在となるかもしれません。

すでにA代表で招集されており、EUROメンバーに選ばれブレイクするのか今後注目です。

フランス代表EURO2020の展望

【グループステージ】

グループF:フランス・ポルトガル・ドイツ・ハンガリー

第1戦 6/16  フランスVSドイツ

死のグループに入ったグループFのフランスの初戦は2014年ブラジルW杯優勝国のドイツです。長期政権でチームを指揮するレーブ監督の下、近年ドイツ代表は世代交代を行いフレッシュなメンバーへと様変わりしました。

両国の対戦は、今大会のグループリーグ初戦屈指の好カードとなります。普段同じ所属クラブでプレーする選手も多く、特徴も熟知しているはずです。ドイツの中心選手のクロースに自由にプレーさせない事が鍵となりそうです。

第2戦 6/19  フランスVSハンガリー

2戦目は、プレーオフを勝ち進んで本戦出場を決めたハンガリーとの対戦です。格上のフランス相手にハンガリーはしっかりブロックを作り守備を固めながらカウンターの機会を狙う戦術を取るのではないでしょうか。

守備陣を攻略できずに後半まで無得点が続く可能性も考えられる為、タレントが豊富なフランスにとっては流れを変えれる選手の途中交代が必要となるかもしれません。

第3戦 6/24  フランスVSポルトガル

グループリーグ最終戦の対戦国は、過去の対戦成績からフランス有利と予想されながらEURO2016前回大会の決勝で敗れたポルトガル代表との戦いです。

前回同様キャプテンのクリスティアーノ・ロナウドを中心にジョアン・フェリックスやブルーノ・フェルナンデス、ベルナルド・シウバなどタレント豊富な前線選手を擁するポルトガル代表に対してフランスの守備陣がどのように対応するか注目されます。

前回、自国開催のEURO決勝で敗れたフランスにとってはリベンジを果たす試合となるでしょう。

【決勝トーナメント】 対戦国未定

グループF1位通過の場合  :  グループABCいずれかの3位チームと対戦
グループF2位通過の場合  :  グループD1位チームと対戦

監督や戦術について

フランス代表が入ったグループFは「死の組」で今大会最も注目を集めるグループとなっています。現在のFIFAランキング上では2位フランス・5位ポルトガル・13位ドイツ・40位ハンガリー(2021/2/22時点)となっており、どの国が決勝ラウンドに進むのか予想がつかないグループです。

ランキング上ではグループでトップのフランスですが、大事な初戦はドイツ戦はアウェイのミュンヘンで、2戦目のハンガリー戦もアウェイのブダペストでの開催となるので難しい試合となりそうです。最終戦のポルトガル代表との試合までに、できるだけ勝ち点を積み重ねておきたいところです。

強豪国が集まるグループでの対戦となるので、選手にとっても消耗の激しい試合が続きます。短期決戦のEUROにおいて、デシャン監督がどのようなシステムとメンバーで大会を戦っていくのか非常に注目されます。

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は「EURO2020フランス代表の戦力と注目選手を解説」と題してお伝えしました。

今回ご紹介した選手以外にもチャンスメイク能力に優れたリヨンのアワールや卓越したキック精度と優れたボールタッチで観客を魅了するマルセイユのトヴァン、両足を巧みに使ったドリブルで攻撃に変化を与えるバルセロナのウスマン・デンベレやモダンなセンターバックとしてセビージャでブレイク中のクンデ、かつてフランス代表の名ディフェンダーとして活躍したリリアン・テュラムを父に持つボルシアMG所属のマルクス・テュラムなどがおり、最終メンバーに選出されるか注目されています。

現在のフランス代表はW杯優勝メンバーが多く残っており、年齢的にも脂の乗った選手が多いので今大会の優勝候補大本命と言えるでしょう。

デシャン監督の下、かつての代表のようにフランス伝統の華麗で奔放な「現代版シャンパン・フットボール」を現代表チームが見せてくれるのか楽しみです。

エキサイティングな試合と感動を与えてくれるEURO2020で「レ・ブルー」がどのようなプレーで世界のサッカーファンを沸かせてくれるか開催が待ち遠しい限りです。