現代サッカーにおいてアンカーの重要性は日に日に増しているように感じます。
ヨーロッパサッカーで4-3-3を起用するチームが増えたことも影響しており、チームの軸とも言える場所でまさに心臓のような働きが求められる難しいポジションですが、プレミアリーグのアンカーで代表的な選手がロドリ(マンチェスターシティ )とファビーニョ(リバプール)の2選手です。
グアルディオラ監督もクロップ監督もアンカーを重要ポジションとして扱いますが、19/20シーズンのこの2選手の活躍は求められるもの以上です。
役割が一緒だということで、2選手のプレースタイルやスタッツを徹底比較しながら、アンカーの価値にも迫っていきたいと思います。(スタッツは2020/02/06時点)
目次
ロドリ(ロドリゴ・エルナンデス)のプロフィール
名前 | ロドリゴ・エルナンデス |
生年月日 | 1996/06/22(23歳) |
国籍 | スペイン |
身長 | 191cm |
体重 | 82kg |
ポジション | MF |
背番号 | 16 |
前所属チーム | アトレティコ・マドリード |
2015年にビジャレアルでデビューしたロドリ。2018年には下部組織時代に所属していたアトレティコ・マドリードに復帰すると、シメオネ監督の信頼を勝ち取り、34試合に出場。チームの心臓として活躍します。
その活躍がグアルディオラの目に留まり、2019年にマンチェスターシティに移籍。移籍後もすぐプレミアリーグに適応し、わずか一年でシティにとって欠かせない選手へと成長しました。
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ファビーニョのプロフィール
名前 | ファビオ・エンリケ・タバレス(ファビーニョ) |
生年月日 | 1993/10/23(26歳) |
国籍 | ブラジル |
身長 | 188cm |
体重 | 78kg |
ポジション | MF |
背番号 | 3 |
前所属チーム | ASモナコ |
ブラジルのフルミネンセに所属していましたが、試合に出場することはなく、2012年にポルトガルのリオ・アヴェFCに移籍。その後は意外にもレアル・マドリードの下部組織にレンタル移籍され、トップチームにも出場しています。
前所属チームのASモナコには2015年に移籍。ムバッペ、ファルカオ、ベルナルド・シウバなどタレントが揃っていたチームでアンカーを務めます。特に2016-17シーズンはラウンド16のマンチェスターシティ戦で、ファーストレグ、セカンドレグ合わせて1ゴール2アシストの活躍でジャイアントキリングに貢献。一気にファビーニョの名を世界に知らしめます。
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リバプールへは2018年に移籍。移籍して数ヶ月は出番に恵まれませんでしたが、徐々にプレミアリーグに適応を果たし、相手のチャンスの芽を潰すプレーから、チームメイトに「ダイソン」というあだ名がつけられるほど。リバプールにとって欠かせない選手になりました。
全体成績:分かりやすいスタッツでは見えないアンカーの価値
ではここから両選手のスタッツを比較していきましょう。
ロドリ | ファビーニョ | |
出場数 | 23 | 16 |
ゴール数 | 2 | 1 |
アシスト数 | 1 | 1 |
クリーンシート数 | 7 | 3 |
イエローカード | 6 | 5 |
レッドカード | 0 | 0 |
少し出場数はバラけたのは、ファビーニョの怪我が原因です。ロドリはここまで2ゴール1アシスト、ファビーニョも1ゴール1アシストと、やはりポジション上、得点に直結する部分のスタッツは両選手とも少ないです。
ゴールもアシストもパッとしない!と思いますが、アンカーの役割はこういったわかりやすい数字には見えてきません。もっと詳細のスタッツまで追ってみましょう。
ちなみに、ファビーニョの1ゴールはマンチェスターシティ vs リバプール戦で叩き込んだミドルシュートです。あれは素晴らしいプレーでしたね。
攻撃成績:精密マシーンのロドリとボールを失わないファビーニョ
次に両選手の攻撃スタッツを比較しましょう。
ロドリ | ファビーニョ | |
ビックチャンス創出 | 2 | 1 |
パス本数 | 1,628 | 844 |
1試合あたりのパス本数 | 70 | 52 |
パス成功率 | 92.0% | 84.8% |
フォワードパス | 362 | 212 |
バックパス | 162 | 116 |
タッチ数 | 1,860 | 995 |
1試合あたりのタッチ数 | 80 | 59 |
クロス数 | 6 | 5 |
ボールロスト回数 | 17 | 2 |
アンカーの価値が見えるスタッツが揃いました。彼らはチームの重心です。ボールを中継し、右に左に前に後ろにボールを散らしながら相手を動かし、ゲームを作っていきます。重心でのミスは許されません、正確無比なマシーンであることも求められます。
その観点で言うと、ロドリは常人の域を超えたスタッツを残しています。1試合平均70本のパスを通すこの働きはまるで精密マシーン。パス成功率も90%超えと、驚異の正確性を備えています。ここまで正確にパスを出してくれる選手がいると、前線の選手も安心でしょう。
ファビーニョもボールロスト「2」という神業を魅せていますが、攻撃スタッツにおいてマンチェスターシティのロドリに軍配が上がる事に疑いの余地はありませんね。
守備成績:ボール奪取能力が光るファビーニョ
ロドリ | ファビーニョ | |
シュートブロック | 4 | 1 |
インターセプト | 18 | 18 |
タックル数 | 36 | 36 |
クリア数 | 22 | 10 |
空中戦勝利数 | 45 | 18 |
アンカーは守備においても大きな貢献が求められます。バイタルエリアの前にポジショニングすることが多いため、くさびのパスも多く配給されます。そこでの球際の強さ、ボール奪取能力はファビーニョが上回りましたね。数字は同数なのですが、出場数で割り1試合単位でのスタッツにならすと、ファビーニョのインターセプト回数、タックル数はかなり良い数字です。さすがチームメイトから「ダイソン」と呼ばれる選手です。
一方のロドリは、空中戦での勝利数やクリア回数が多いですが、これは190cmを超える高さを活かしたプレースタイルによるものでしょう。