世界屈指のドリブラーリヤド・マフレズのプレースタイルを徹底解剖!

世界屈指のドリブラーとして活躍するリヤド・マフレズ。ミラクルレスターやマンチェスター・シティでの国内3冠、アフリカ人初のPFA年間最優秀選手賞など輝かしい経歴をもつマフレズのサッカー人生は地元の小さなクラブから始まりました。スター選手になるまでの「失われた2年間」など、マフレズのサッカー人生を振り返ります。また、なぜドリブラーマフレズがパスサッカーを主流とするペップのもとで輝けるのかという点に着目してプレースタイルを徹底解説!最後には今後のキャリアについて考察しました。これを読めばマフレズのバッググラウンドやプレーの見どころが分かるので、サッカー観戦がよりいっそうたのしくなりますよ。

リヤド・マフレズのプロフィール

 

生年月日 1991年2月21日
国籍 アルジェリア・フランス・モロッコ
出身 サルセル
身長 179㎝
体重 61㎏
利き足
ポジション FW
背番号 マンチェスター・シティ:26
アルジェリア:7
タイトル ・レスター・シティ
チャンピオンシップ1回(2013-14)
プレミアリーグ1回(2014-15)
・マンチェスター・シティ
プレミアリーグ1回(2018-19)
FAコミュニティ・シールド2回(2018、2019)
EFLカップ2回(2018-19、2019-20)
FAカップ1回(2018-19)
・個人
アルジェリア年間最優秀選手賞(2015)
PFA年間ベストイレブン(2015-16)
PFA年間最優秀選手賞(2015-16)
アフリカ年間最優秀選手賞(2016)

リヤド・マフレズの経歴

「ミラクルレスター」では一躍サッカー界の主役となり、マンチェスター・シティで世界的プレイヤーの地位を確立したリヤド・マフレズ。幼少期から強豪クラブの下部組織で育つエリート選手も多いなか、マフレズはアマチュアチームや2部リーグから這い上がってきました。それでは、あっという間にスターになった「シンデレラボーイ」マフレズのサッカー人生を振り返ってみましょう。

フランスの小さな街で生まれ、アマチュアクラブに

アルジェリア人の父とモロッコ人の母を持つマフレズは、フランスのサルセルという街で生まれました。基本的にはサルセルで生活していたものの、長期休暇には父の地元であるアルジェリアで過ごしていたそうです。

マフレズのサッカー人生は、地元サルセルの小さなクラブから始まりました。いわゆるエリートコースではなく、十分な環境が整っていないグラウンドで技術を磨いていました。

2009年にはフランスのアマチュアクラブであるカンペールに入団します。カンペールでは27試合に出場し、1ゴールを記録。とはいえ、この時点ではまだ名前が知られていない選手でした。

ル・アーヴルで才能が開花

2010年には若手育成に定評のあるフランス2部のル・アーヴルに移籍。プロ選手としてのキャリアをスタートします。ル・アーヴル加入後はBチームをメインに帯同し、一歩ずつスターへの階段を登りはじめました。その後、2012年にはAチームに定着。主力選手として34試合に出場し、4ゴール6アシストを記録します。フランス2部での活躍は国内外に知られるようになり、2014年1月にイングランド2部のレスター・シティに加入します。ちなみに当時のチームメイトには、現在マンチェスター・シティで一緒にプレーするバンジャマン・メンディがいました。

レスター・シティのプレミアリーグ初制覇に貢献

当時イングランド2部(チャンピオンシップ)の1位を走っていたレスター・シティに加入したマフレズは、すぐにチームにフィットしました。2014-15シーズンにプレミアリーグに昇格してからは主力として活躍し、「ミラクルレスター」の立役者の1人となります。当時のレスターには岡崎慎司が所属していたものの、世界的なプレーヤーはいませんでした。しかし、マフレズやヴァーディーなど下部リーグから這い上がってきた苦労人が躍動し、2015-16シーズンにはプレミアリーグ初優勝を達成しました。マフレズはフランス2部でプレーしてからたった2年でプレミアリーグ制覇まで登りつめたのです。このシーズンの17ゴール10アシストの爆発的な活躍が認められ、アフリカ人としてはじめてPFA年間最優秀選手賞を受賞。クラブとしても個人としても素晴らしいシーズンになりました。マフレズはその後すぐにビッグクラブに移籍すると思われましたが、結局2年間はレスターに残留。この時期についてはマフレズ自身も「失われた2年間」と語っており、アーセナル移籍もほぼ決定的だったといいます。

レスター・シティ時代のプレー集

マンチェスター・シティでは数多くのタイトルに貢献

ビッグクラブへの移籍を希望するマフレズの願いが叶ったのは2018年。プレミアリーグを圧倒的な強さで制覇したマンチェスター・シティが、さらなる進化のためにマフレズを獲得しました。移籍金は当時のクラブレコードである6,000万ポンドであったことからも、期待の高さが伺えます。移籍直後は名だたるメンバーのなか、定位置を掴めない時期が続きました。しかし、違いを生み出すマフレズのプレースタイルは、徐々にマンチェスター・シティの攻撃にフィットしていきます。2018-19シーズンは27試合7得点という結果を残し、クラブの国内3冠に貢献しました。ペップのパスサッカーでマフレズのドリブルは異質であり、引いて守る相手をこじ開ける鍵として欠かせない存在になっています。

マンチェスター・シティでのプレー集

元日本代表監督がアルジェリア代表に抜擢

複数の国籍を持つマフレズ。そのなかでもマフレズはアルジェリア代表でのプレーを希望しました。アルジェリア代表としてのキャリアは2014年にスタートします。当時まだ無名だったマフレズを抜擢したのは、日本を率いた経験もあるハリルホジッチ監督でした。日本代表では思うような結果を残せなかったハリルホジッチですが、アルジェリア代表監督としては有望な若手を抜擢し結果を残した実績のある名将として知られています。ハリルホジッチの抜擢もあり、無名選手のマフレズはワールドカップにも出場。現在まで毎年ゴールを決めており、アルジェリア代表の中心選手として活躍しています。

リヤド・マフレズのプロフィール

リヤド・マフレズは右WGで起用されることが多く、ゴール前で違いを作れる選手です。ペップ・グアルディオラの緻密な戦術から、良い意味で浮いた異質な存在になっています。ここからはマフレズのプレースタイルを4つのポイントから解説します。それでは1つずつ見ていきましょう!

カットインからのシュート

マフレズはカットインからのシュートが得意です。左利きのマフレズが右サイドからカットインをすると、相手DFから遠い位置にボールを置いてドリブルができます。そのため、ドリブルからパスやシュートの選択をする余裕が生まれ、相手の隙を狙ったプレーができるようになるのです。そしてマフレズには一瞬の隙を突くシュートセンスがあります。実際、2019-20シーズンには11ゴールを決めており、相手の脅威になっていることは間違いないでしょう。また、カットインからのシュートのイメージが強いマフレズに対して、相手DFはシュートを防ぐことを第一優先に考えます。シュートに気を取られたDFはドリブルに対しての反応が遅れ、マフレズはその隙をあっという間に突破できてしまいます。ドリブルがあるからこそシュートが、シュートがあるからこそドリブルが活きるプレイヤーです。

スピードを生かした突破

マフレズのスピードはずば抜けて速いとは言えません。しかし、緩急を使うことによってスピードを使った突破ができる選手です。WGとしてプレーするマフレズは、タッチライン際でボールを持つことが多く、ときにはスピード感のある攻撃を求められることがあります。しかしマフレズは、スピードに頼ってプレーするタイプではありません。そこで重要なのが緩急です。マフレズは動作の大きいボディフェイクと緩急を使って、相手のバランスを崩し突破をするのが得意です。相手の動きをよく見ながらフィクを入れ、縦に行くと見せかけてカットインしたり、カットインと見せかけて縦に突破したりするシーンは度々見られます。また、トップスピードでもミスをしない技術があることもマフレズの魅力です。足元の技術と緩急の使い分け、そしてイメージ通りに身体を動かせるアジリティは、並みのDFではついていけないでしょう。

高い個人技ゆえのアシスト能力

マフレズは自ら決めるだけでなく、アシストをする能力にも優れています。実際、2019-20シーズンは9アシストを記録し、チームに貢献しています。では、なぜマフレズはアシストを量産できるのでしょうか。やはりそれも個人での突破力に起因します。マフレズは世界でもトップレベルのドリブラーであり、相手DFはドリブルへの対応に追われています。しかしマフレズは相手の対応を見てプレーを変えられる選手です。自分に視線が集まった瞬間にゴール前の味方にボールを供給し、チャンスを生み出します。反対に自分よりもマークに気を取られていたら、自分で突破できてしまうのがマフレズの怖いところです。また、マフレズはセットプレーでも安定したボールを供給できます。マンチェスター・シティではキッカーを務められる選手が多いので、特別蹴ることが多いわけではありません。ただし、キッカーを任されたときには質の高いボールを供給できるキックセンスがあります。

世界トップクラスのドリブルセンス

最後に、マフレズの最大の特徴を紹介します。それはずばりドリブルセンスです。マフレズは狭いスペースでも1、2人を簡単に抜き去る技術を持っている選手です。とくにペナルティエリア内でも落ち着いてドリブルをするシーンは、毎度ワクワクさせられます。ペップ体制のマンチェスター・シティでは速いリズムでパスを回すことが多く、マフレズのように長い時間ボールを持つ選手は異質な存在です。通常であれば戦術に合わないタイプに思えるものの、マフレズは主力として定着しています。その要因はマフレズの「戦術としてのドリブル」ができる能力にあるでしょう。マフレズは1人で突破できる能力もあるのに、自己中心的なプレーをしないのが特徴です。相手DFの対応を見てプレーを変え、パスを出すべきシーンでは的確にパスを通します。他にも中盤に降りてきてビルドアップに参加したり、味方を活かすワンタッチプレーをしたりと、異質でありながら組織としても適応できるのは世界でも稀なプレイヤーと言えるでしょう。

リヤド・マフレズの今後について

ペップ・グアルディオラの、マンチェスター・シティの、リヤド・マフレズは、世界トップレベルのFWになれるのか。

マンチェスター・シティでは今後も主力として期待

マンチェスター・シティに移籍後はペップのオプションの1つとして定着しています。ただ、世界的なプレイヤーが揃うクラブなので、今後も安泰だと言い切ることはできません。一方で、マフレズのようなプレーができる選手は今のシティにはいないのも事実です。フォーデンやフェラン・トーレスなどの若手選手もいるものの、マフレズというオプションの代替案になるかと言われるとまた違うタイプでしょう。それに「レフティ」「ドリブラー」という特徴を持つ選手は稀なので、本腰を入れて代わりを探そうと思わないと獲得できません。コロナウイルスの影響で世界中のクラブの財政が厳しい中、わざわざリヤド・マフレズの代わりを探すとは思えないので、今後も数年間マフレズは重宝されるでしょう。現行契約は2023年まで残っているので、今後もマンチェスター・シティの選手としての活躍に期待しましょう。

アルジェリアをワールドカップ上位に導けるか

アルジェリア代表は強豪国といえるチームではありません。実際、ワールドカップでもベスト16が最高成績です。ただ、近年はマフレズを中心に着実に力をつけてきており、2019年のアフリカネイションズカップでは29年ぶりの優勝を果たしました。7番を背負うマフレズはチームの中心として国民からの期待が寄せられており、アルジェリアをワールドカップ上位に導けるかどうかに注目です。

PSG移籍の噂も

マフレズは2019-20シーズン終了後にフランスのパリ・サンジェルマンへの移籍が噂されていました。フランスにルーツがあることもあり、マフレズも前向きに捉えていたそうです。また、当時マンチェスター・シティはFFPの違反により、CLへの出場権が剥奪される予定だったため、主力選手の移籍が相次ぐと思われていました。しかし結局はCL出場権が認められ、ほとんどの主力選手が残留。マフレズも残留を決めています。その後、新たな噂はなく、マンチェスター・シティでのプレーを続けることでしょう。

まとめ

マンチェスター・シティのドリブラー、リヤド・マフレズを紹介しました。地元の小さなクラブからサッカー人生がスタートし、アマチュアクラブ、2部リーグを経てスターになったマフレズ。2部リーグからたった2年での「ミラクルレスター」など、プレーだけでなくストーリー性も楽しめるプレイヤーです。マンチェスター・シティでは国内3冠・CL制覇、アルジェリア代表ではワールドカップベスト8以上を達成するために、マフレズがどんなプレーを見せてくれるのか楽しみですね。