マンUの“モンスター” マクトミネイのプレースタイルを徹底解析

マンチェスターユナイテッドのアカデミーからは、過去にもベッカムやギグス、スコールズといったサッカー界に名を刻むレジェンド達が輩出されてきた。

近年であれば、世界レベルの活躍をしているポールポグバやマーカスラッシュフォードもマンチェスターユナイテッドのアカデミー出身だ。

そして、現在ユナイテッドファンならば誰しもが注目しているであろう選手が、赤い悪魔の中盤を担うスコットランド代表MFスコット・マクトミネイである。

ポグバのような派手さや、ラッシュフォードのような得点というわかりやすい活躍をしているわけではないが、恵まれた体格と献身的なプレーで陰ながらチームを支えている選手だ。

デビュー当時は守備の役割を多く与えられていたため、守備的な選手というイメージだったが、シーズンを重ねるごとにプレーの幅が広がり、チーム内でも重要な役割を担う選手なった。

自陣ゴール前での守備から相手ゴール前に侵入してゴールも奪う。チームの攻守すべての場面でボールに絡むイングランド伝統のボックストゥボックスタイプの選手に成長してきている。

ユナイテッドの中盤にはポグバやマティッチ、フレッジがいるため層が非常に厚い。2020-21シーズン開幕当初は4番手のMFと見られていたが、蓋を開けてみればスールシャール監督のファーストチョイスとして定着してきている。今後さらなる成長が期待されている選手だ。

そこで、今回の記事では、マンチェスターユナイテッド期待の中盤プレーヤースコット・マクトミネイについて、基本情報と経歴、プレースタイル、今後の展望を徹底的に解説していく。

本記事を通して、マクトミネイの魅力に触れ、今後の彼の活躍にも注目してほしい。

スコット・マクトミネイのプロフィール

 

生年月日 1996年12月8日
国籍 スコットランド、イングランド
出身 ランカスター(イングランド)
身長 193㎝
体重 88㎏
利き足
ポジション MF
背番号 マンチェスターユナイテッド:39番
スコットランド代表:4

スコット・マクトミネイの経歴

スコット・マクトミネイの幼少期から今に至るまで!

幼少期・生い立ち、プロ入り前

マクトミネイはイングランド北西部のランカスター出身。祖父母がスコットランドにルーツを持つため、イングランドとスコットランド両方の国籍を持つ。

5歳の頃からマンチェスターユナイテッドのアカデミーに入団。順調な成長を遂げ、2013年16歳の若さでプロ契約を結んだ。

10代の頃のマクトミネイは華奢な体格で身長も170cm程度。ポジションも現在とは違うFWやトップ下だった。アカデミー時代はあまり注目を集めることはなく、U18の試合でも最後の2シーズンはわずか120分の出場時間、U21でもスタメン出場はわずか2試合という成績に終わった。

マクトミネイが急激に注目を集め始めたのは、2016年のことである。それまで170cm程度だった身長が約20cmも急激に伸び、190cmを超える体格に成長したのだ。

体格の成長に合わせてプレースタイルも変更し、攻撃的なポジションから中盤へコンバートされた。

もちろん急激な体の変化やプレースタイルの変更に苦労したものの、着実に成長を続けたマクトミネイは徐々にユースチームでも活躍を見せ始める。

そして、2016年、当時マンチェスターユナイテッドの指揮をしていたモウリーニョ監督の目に留まり、トップチーム昇格を果たした。

マンチェスター・ユナイテッド

最近の活躍について要因を書いてもらえたら嬉しいです!

スールシャール、マティッチ

2016-17シーズン終盤、4月のスウォンジー戦で初のベンチ入りを果たしたが出場機会はなし。その翌月のアーセナル戦で途中出場しトップチームデビューを飾った。

翌2017-18シーズンから本格的にトップチームに定着し、公式戦23試合に出場。2018-19シーズンは公式戦22試合出場2ゴール1アシストを記録。

モウリーニョ監督政権時代は、モウリーニョ監督が大型MFを好んで使用することが多く、熱心な練習態度や真面目さ評価されたマクトミネイは出場機会を着実に増やしていった。当時は攻撃のタスクは控えめで、守備に特化した中盤選手として堅実に成長を続けた。

17-18シーズンには監督が選ぶ年間最優秀選手にも選出され、モウリーニョ監督からの信頼が厚いことを示していた。

さらに、マンチェスターユナイテッドの歴史を築いたアレックスファーガソン監督からもその才能を評価され、モウリーニョ監督に対してマクトミネイをもっと起用するように勧めたという。

2018-19シーズン途中、成績不振によりモウリーニョ監督が退任。スールシャール政権に交代されたが、スールシャール監督もユースチームの指揮をしていたことからマクトミネイを高く評価し、監督交代後も継続して起用された。

スールシャール監督下では、守備だけでなく攻撃への参加も許可され、ユース時代に培った攻撃面での能力も発揮し始めた。シーズン終盤4月のウルブス戦でプロ初ゴールも記録した。

スールシャール政権2年目の2019-20シーズンはポグバの長期離脱、マティッチの不調もありフレッジとともに中盤センターのレギュラーに定着。夏の主力放出やけが人も重なり選手層が薄い厳しいチーム状況の中で、安定した活躍を披露していた。12月に靭帯を負傷し長期離脱を強いられたが、シーズンを通して公式戦38試合に出場し、5ゴール1アシストを記録した。アーセナル戦での豪快なミドルシュートやマンチェスターダービー終了間際のダメ押し弾となる約35mのロングシュート等、記憶に残るゴールを獲得してきた。

余談になるが、大人気サッカーゲームのウイニングイレブン2020では、同チームのラッシュフォードやポグバを差し置いてマンチェスターユナイテッドの顔としてゲームパッケージの表紙を飾った。

そして現在の2020-21シーズン。マクトミネイはデビュー当時から着用している39番を背負って躍進を続けている。

復調したポグバや堅実な貢献をするマティッチを差し置いて、大事な試合ではマクトミネイが起用されるケースが多い。

2月時点ですでに公式戦28試合に出場し、5ゴール1アシストを記録。

12月のリーズ戦では、開始3分で2得点を記録。プレミアリーグの新記録を樹立している。

スールシャールの下で、守備専門の選手から、イングランド伝統のボックストゥボックス型の選手に成長を遂げたマクトミネイ。会見でマクトミネイについて尋ねられたスールシャール監督は同選手のことを“モンスター”と表現した。193cmという大柄な体格でピッチ上を蹂躙し、相手ゴールにも積極的に襲い掛かる姿はまさにモンスターだ。

マクトミネイの成長の陰には、経験豊富なマティッチや同じようなプレースタイルのポグバ、ユナイテッドの同ポジションで活躍したキャリックコーチ等、尊敬できるチームメンバーのサポートも大きいだろう。

また、2021年1月からは、かつてキャリックとコンビを組んだフレッチャーがコーチ陣に加入した。フレッチャーは同郷の先輩であり、プレースタイルもマクトミネイが目指している形に近い。

マクトミネイの今後の成長にも期待が集まる。

スコットランド代表

ここまでは、マクトミネイの経歴について、クラブでの活躍に焦点を当てて解説してきたが、スコットランド代表での活躍についてもご紹介したい。

クラブで着実に出場時間を獲得し始めた2017-18シーズン終盤、2018年3月にスコットランド代表に初選出された。

2018-2019のネーションズリーグやEURO2020予選にも出場し、これまで公式戦14試合に出場している。代表では中盤だけでなく、3CBの右サイドで起用されることも多い。EURO2020予選では主力として出場し、23年ぶりのEURO本選出場権獲得に貢献した。

スコット・マクトミネイのプレースタイル・特徴

ボールキープ力、シュート力、大きい体を生かした守備力など欠点が見当たらないスコット・マクトミネイのプレースタイルに迫る。

万能型ボックストゥボックス

マクトミネイのプレースタイルは自陣ゴール前での守備から相手ゴール前にも飛び出してゴールを襲うイングランド伝統のボックストゥボックスだ。

基本に忠実でシンプルなプレーが多く、同ポジションのポグバと比較すれば派手さはないが、チームへの貢献度は非常に高い。

攻撃時にはポゼッションの中心となり、シンプルかつ正確なパスでボールを散らす。守備時には193cmという恵まれた体格を活かしたボール奪取が魅力。

基本的なボール技術も高く、豊富な運動量でピッチの広範囲をカバーできる万能型のボックストゥボックスだ。

そのプレースタイルからイングランド代表のレジェンドのジェラードと比較されることもある。

テクニックと強さを備えたボールキープ

恵まれた体格を活かしたボールキープももちろんだが、元々は攻撃的な選手ということもあり足元のテクニックも高い。さらに俊敏性も兼ね備えており、相手のプレスにも冷静に対処してボールをキープできる選手だ。テクニックを活かしたトラップやドリブル突破で展開を打開することも得意としている。高身長ということもあり、ロングボールにも強い。中盤の選手としてすべての能力がハイスペックだ。

恵まれた体格を活かした守備

豊富な運動量と恵まれた体格を活かした守備、タイトなマーキングがマクトミネイの特徴だ。

体格を活かしたタイトなプレッシングは相手にとっても非常に脅威となる。

高身長のため、攻守のセットプレーでも重要な役割を担っている。

ハードワークも厭わない性格で、タックル数やインターセプト数も平均してチーム上位の数字を記録している。

豪快なミドルシュート

マクトミネイは豊富な運動量で攻守に貢献し、シンプルなパスでボールを散らすゲームメイクだけでなく、ペナルティエリアの外からの豪快なミドルシュートも持っている。

19-20シーズンのアーセナル戦での豪快なミドルやマンチェスターダービーでのロングシュート、20-21シーズンのリーズ戦での試合開始2分でのミドル等、チームにとって重要な得点を獲得してきた。

チームを鼓舞する熱いパッション

正確かつ献身性のあるプレーが特徴だが、マクトミネイの魅力はそれだけではない。

チームに必要な闘争心やパッションも兼ね備えている。

チームの主力に定着してからは、チームを引っ張る自覚も芽生えたようで、戦う姿勢だけでなくチームメイトを鼓舞する姿勢も見せている。

チームメイトのマティッチは、マクトミネイについて「マンチェスター・ユナイテッドの選手として必要なメンタリティを備えている。今のような努力をこの先も続けていけば、クラブのレジェンドになれる」と太鼓判を押している。

マンチェスターユナイテッドの黄金期には、ロイ・キーンやギャリーネヴィルのようなピッチ内でチームを鼓舞する闘将の存在があった。

アカデミー出身のマクトミネイにも今後のチームをけん引する活躍を期待したい。

スコット・マクトミネイの今後について

スコット・マクトミネイのマンチェスターユナイテッドでの活躍は、期待できる?移籍の可能性は?スコットランドでの活躍は?

マンUについて

トップチームデビューから5シーズン目となる2020-21シーズンではチームの主力として活躍している。スールシャール政権に代わってからは、攻撃的なタスクもこなし、よりインパクトのある活躍を見せ始めている。

今後は、今のボックストゥボックスのプレースタイルに磨きをかけ、攻守ともに活躍する選手ヘの成長が期待されている。

自身の戦う姿勢やチームメイトを鼓舞する姿勢もチームに好影響を与えており、将来のキャプテン候補とも言われている。

ポテンシャルや個の力については申し分ないが、サッカーはチームプレーである。

チームメイトとのさらなる連携強化や戦術理解が積み重なればチームにとって欠かせない選手へ成長できるだろう。

また、若さ故か、時折集中力を欠き、ポジショニングのミスから相手に決定的なチャンスを与えてしまう場面も散見される。

メンタル的な部分のさらなる成長にも期待したい。

スコットランド代表について

スコットランドA代表に選出されたのは2018年からと、まだ国際大会の経験は少ない。

スコットランド自体も強豪国と比べると選手層が豊富というわけではないため、今後もマクトミネイは重要な選手となるだろう。

また、クラブでは中盤でプレーをしているが、代表では3CBの右サイドでも起用されている。元々は攻撃的なポジションでプレーしていたので前目での起用も可能だろう。

複数のポジションもこなせるユーティリティさは選手層の薄い代表としては貴重だ。

2021年にはEURO2020の本選も控えている。23年ぶりの本大会出場となるスコットランド代表の活躍にも注目が集まる。

移籍などの情報

マクトミネイについては、ユナイテッドの監督解任後トッテナムを率いているモウリーニョ監督が獲得を希望していたという報道も出ている。

しかし、マクトミネイは5歳から所属しているマンチェスターユナイテッドへの忠誠を示している。スールシャール監督からの信頼も厚く、2020年のオフシーズンには2025年までの契約延長にもサインしていることもあり、現在マクトミネイに対する移籍の噂は聞こえてこない。

ただ、今後順当に成長を重ねれば国内外のビッククラブからも熱視線が寄せられるだろう。