攻撃的SBアレクサンダー・アーノルドの経歴・プレースタイルを解説

サッカーを始めた6歳から今もなお所属しているリヴァプール。アレクサンダー・アーノルドが尊敬してやまないスティーブン・ジェラードにあこがれ、シュート練習に励んだ。務め慣れたMFからSBに転身し、驚異的な成長を見せている。類い稀なパスセンスと攻撃力を武器に数多くのゴールを演出し、リヴァプールの勝利に何度も大きく貢献してきた。持ち前のパスセンスが光り、まさかのギネス記録に認定。若手SB期待のエース、アレクサンダー・アーノルドの魅力を徹底解説。

アレクサンダー・アーノルドのプロフィール

 

生年月日 1998年10月7日
国籍 アメリカ合衆国、イングランド
出身 リヴァプール
身長 175㎝
体重 69㎏
利き足
ポジション DF
背番号 リヴァプール:66
イングランド代表:2
タイトル リヴァプール
UEFAチャンピオンズリーグ : 201819
UEFAスーパーカップ : 2019
FIFAクラブワールドカップ:2019
プレミアリーグ : 2019/20
・個人
PFA年間ベストイレブン : 2018/19
PFA月間最優秀選手賞 2019/20
PFA年間最優秀若手選手賞 : 2019/20
UEFAチャンピオンズリーグ ベストイレブン : 2018/19

アレクサンダー・アーノルドの経歴

世界的なSBとして名を馳せるアーノルドが背番号「66」をつけている驚きの理由とは。

幼少期・生い立ち

アーノルドは1998年、イギリス・イングランド北西部に位置するリヴァプールに生まれた。彼は三人兄弟で、いつも一緒だった。三人ともサッカーにのめり込み、夢中になってボールを蹴った。最終的にプロサッカー選手として活躍するようになったのがアーノルドだった。

アーノルドが6歳の頃、リヴァプールのアカデミーに入団した。彼はリヴァプールのユースで技術を磨き、U16、U18と着々とキャリアアップした。彼が尊敬していた選手はリヴァプールのレジェンドであるMFスティーヴン・ジェラード。現在はDFとして活躍するアーノルドの当時のポジションはMFだった。ジェラードの放つ正確なミドルパスを何度も練習し、いつもジェラードのプレーを参考に練習に臨んでいた。特にアーノルドはジェラードのキック時の「音」にフォーカスしており、どうすれば彼のようないい「音」が出せるのかと試行錯誤していた。

リヴァプール

2016年10月26日に行われた、フットボールリーグカップのFCトッテナム戦でアーノルドはトップチームデビューを飾った。その翌年7月、彼は正式にリヴァプールとの長期契約を果たした。

2018-2019シーズンでアーノルドは数々の功績を残した。特に印象深かった試合は5月7日に行われたUEFAチャンピオンズリーグの準決勝、2ndレグFCバルセロナ戦だ。1stレグとの合計スコアは0-3。リヴァプールの決勝進出は絶望的と囁かれる中、奇跡は起きた。試合はリヴァプール優勢で進み3-0で迎えた後半33分、獲得したコーナーキックでアーノルドが見せた。キッカーのジェルダン・シャチリと交代する振りをし、相手DFの準備が整わないうちに素早くクロスを蹴り、ディヴォック・オリジのこの試合2点目をアシスト。勢いそのままチームは最終スコア4-3で勝利した。試合開始前は敗退濃厚とされていた不安を払拭し、見事勝利を飾ったリヴァプール。アーノルドは紛れもなくリヴァプールを2年連続決勝進出に導いた立役者の一人だ。続く決勝FCトッテナム戦では強烈なシュートを放ち、守備では持ち前の堅実さを見せ、攻守どちらも活躍し、リヴァプールの14年ぶりとなるチャンピオンズリーグ優勝に大きく貢献した。

今では世界的なSBとして活躍しているアーノルドだが先述の通り、幼少期からのポジションはMFだった。トップチームデビューが決まった2016年10月26日。それは彼にとっては複雑な日だった。これまで慣れ親しんだMFというポジションではなくSBでの起用をクロップ監督に勧められたからだ。ただこのポジション変更には明確な考えがあった。クロップ監督は過去にジェームズ・ミルナーをMFからSBへ起用したように、SBにMF的なプレーを期待している。アーノルドには抜群の攻撃センスやパスセンスをSBで生かすように考えたのだ。サイドを縦横無尽に駆け回れる豊富な運動量と中盤的なプレーもできる万能な選手をクロップは好んでいる。その点をうまく兼ね備えていたアーノルドの技術力を見越して、クロップはアーノルドのポジション変更に踏み切った。

多くのサッカー選手は小さい背番号を好む。トップの選手であればあるほどその傾向は顕著だ。ただアレクサンダー・アーノルドだけは違う。彼の背番号は66と非常に大きい。「アカデミーからトップチームに昇格するとき、あえて大きな番号を渡している。彼らの更なる成長を加味し、小さい番号を渡すことはしない。」こう語るのはキットマネジメント・コーディネーターのリー・ラドクリフ氏だ。「アーノルド自身「66」という背番号を愛しており、今後も変える可能性は低いよ。非常に優れたプレイヤーである同時に、謙虚な青年なんだ」とリー氏はアーノルドに内面についても述べた。

アレクサンダー・アーノルドとアンドリュー・ロバートソンは最高のSBコンビだと言われている。数年前まで無名だった彼らはリヴァプールを陰で支えるディフェンダーだ。2019年のスタッツではロバートソンは11アシスト、アーノルドは12アシストを記録している。二人ともプレミアリーグのDF年間アシスト数で優秀な成績を残し、チームのゴールのおよそ25%に絡んでいる。

イングランド代表

新型コロナウィルス感染拡大の影響で、UEFAは昨夏に開催予定だったEURO2020の開催延期を決定した。世界中に大きな混乱と絶望を与えたこの出来事は、サッカー界にも波紋を呼んでいる。開催時期の目処はまだ立っていないが、リヴァプールでの活躍もありアーノルドはイングランド代表に選出されている。怪我の影響で2019年にEURO2020予選の辞退の噂もあり、少し不安が拭えない部分もある。しかしプレミアリーグやCLで見せる彼の数々の活躍を、イングランド代表として見られる日もそう遠くない。

アレクサンダー・アーノルドのプレースタイル・特徴

クロップの提案で爆発的に成長したアーノルド。
攻撃的SBとしてリヴァプールを支える彼の強さの秘密に迫る。

正確無比なクロスでゴールを演出

アーノルドが放つ正確無比なクロスは、幾度となくリヴァプールの勝利につながっている。現在プレミアリーグに21試合出場で1ゴール3アシストを記録しているアーノルド。彼のパス成功率は驚異的で実に80%を超えている。1試合では平均1.4本のクロスをあげ、チームのゴールを演出している。またアーノルドは2018-2019シーズンプレミアリーグで12アシストの記録を残し、DFの最多アシスト記録としてギネスに登録されている。

ネットを揺らす豪快なミドルシュート

チームに丁寧かつ攻撃的なパスを出すアーノルドだがミドルシュートの選択肢も常に持ち合わせている。やはり視野が広い。味方の動きやポジションを見据えつつ、チャンスがあれば積極的にゴールも狙っていく姿勢。MFとしてプレーしていた経験が少なからず生きている。

セットプレーから数々のアシストを量産

クロスの精度は言うまでもなく正確だ。その正確さが生きるのがセットプレーだ。フリーキックでは絶妙なコースへシュートを流し込む。コーナーキックのクロスは一級品で、何度もチームのゴールに貢献している。また先述のバルセロナ戦のような、不意をついた賢いプレーも見せてくれる。

ピッチを縦横無尽に駆け回る豊富な運動量

リヴァプールのSBには多くのタスクが課せられる。オーバーラップもその一つだ。また攻撃だけでなく本職の守備も抜かりなく行わなければならない。それをこなすためには豊富な運動量がなければ成り立たない。しかしアーノルドはそれを淡々とこなし、試合を有利に進める。それにアシスト数でギネス記録を打ち立ててしまうのだから、正真正銘世界最高クラスのDFだ。

課題山積みの守備能力は右肩上がり

攻撃的なSB選手として非常に高い技術力を持っているアーノルド。だが守備に関して言えばあまり良い評価はされていないようだ。シュートコースの制限やカバーリング、1対1の守備などは改善しつつあるが、以前課題は残っている。

アレクサンダー・アーノルドの今後について

守備に関しては課題が残るものの、その攻撃力とパスセンスは申し分ない。
今後の成長で攻守ともにチームを支えられる存在になれるか。

リヴァプールに関して

アーノルドは今後もリヴァプールのエースとして数多くのゴールを演出してくれるだろう。アーノルドは度々リヴァプールのキャプテンを務めたいと語っている。現キャプテンはジョーダン・ヘンダーソン。なかなかに熱い男気あふれる選手だ。6歳からリヴァプールに加入し、今もなお活躍中のアーノルドがリヴァプールをまとめあげる姿は見られるのか。是非注目したい。

イングランド代表について

EURO2020に続き、東京オリンピックの延期が取り沙汰されている。日本の首都東京に多くのアスリートが集まる。特にプレミア出身の有名選手を日本で見れる機会は滅多にない。状況が落ち着き、安心してサッカーを楽しめるときまでこの興奮は冷めずにとっておきたい。

イングランド代表では熾烈なSB争いが起こっている。マンチェスター・シティ所属のカイル・ウォーカーやアトレティコ・マドリード所属のキーラン・トリッピアーなど優秀なSBが多数選出されている。アーノルドは若手SBとして素晴らしい戦績を残しているが、果たして代表SBレギュラーの座は誰の手に渡るのか注目だ。