アーセナルFWニコラ・ペペの経歴・プレースタイルを解析

突如リーグ・アンで覚醒したニコラ・ペペ。驚異的なテクニックとしなやかなドリブルで相手を抜き去るプレーは圧巻です。2018-19シーズンはリーグ戦で22ゴール、11アシストを記録。当時低迷しかけていたリールを救った救世主といっても過言ではありません。アマチュアクラブからプレミアリーグの名門アーセナルへたどり着くまで一体どのようなストーリーがあったのか。
ニコラ・ペペの生い立ちやプレースタイルなどを探っていきましょう。

ニコラペペのプロフィール

 

生年月日 1995年5月29日
国籍 コートジボワール、フランス
出身 マント・ラ・ジョリー(フランス)
身長 183㎝
体重 73㎏
利き足
ポジション RW・LW
背番号 アーセナル:19
コートジボワール代表:19
タイトル トロフェ・UNFP・デュ・フットボール・リーグ・アン年間最優秀チーム(2018-19)
FAカップ (2019-20)
FAコミュニティ・シールド( 2020)
UNFP月間最優秀選手賞:2回(2018年9月、2019年1月)
マルク=ヴィヴィアン・フォエ賞 :2019年

ニコラペペの経歴

幼少期からアーセナルの今に至るまで徹底言及!

幼少期のペペ、プロ入り前はアマチュアクラブでプレー

コートジボワール人の両親のもとに生まれたぺぺのキャリアはフランスのアマチュアクラブから始まりました。
幼少期のペペは今とは真逆のGKとして地元のアマチュアクラブFCソリテール・パリ・エストでプレーしていました。
しかし、フランスリーグ5部ポワチエFCに加入するとフィールドプレイヤーにポジションを変え、攻撃の要となるプレーヤーとして才能を発揮していくのです。
そしてプロ入り前の活躍がアンジェのステファヌ・ムーラン監督の友人の目にとまり、2013年にアンジェと契約することに。ここからぺぺのプロとしてのキャリアがスタートします。

レンタル移籍先のオルレアンで昇格に貢献

アンジェに加入後、若手として期待されていたもののなかなか出場機会を得られません。2015年には3部のオルレアンにローン移籍して、経験を積むこととなります。オルレアンではコンスタントに29試合に出場し、7得点という成績を収めます。ぺぺの活躍もあり2位という好成績を残し、リーグ・ドゥへ昇格。3部リーグながらオルレアンで多くの試合に出場し昇格に貢献したことで急成長する年になったのです。

アンジェで自身初のリーグ・アンデビュー

2016年にアンジェへローンバックが決まります。移籍先での活躍が評価され、2016年のEAギャンガン戦で自身初のリーグアンデビューを果たします。アンジェでは33試合に出場し存在感を発揮。ローン移籍から戻ったぺぺはアンジェで主力として1部リーグでも戦える頼もしい選手に成長していたのです。2017年のクープ・ドゥ・フランス(フランス国内のカップ戦)ではペペの活躍もあり、準優勝という好成績を収めました。

ぺぺの活躍で低迷していたリールを救う リーグ・アンを代表するアタッカーに

2017年の夏にリールと5年契約の完全移籍を締結。この移籍がぺぺの人生を変えるものとなるのです。加入当初のリールはリーグ・アンの強豪クラブながら低迷していました。難しいチーム状況の中、ぺぺは1シーズン目から2桁得点をマーク。2018-19シーズンには22ゴール11アシストと大暴れ。素晴らしい結果を残し、得点とアシストランキング共に2位となる活躍を見せました。ぺぺが攻撃の重要な役割を果たし、リールは2位となり大活躍のシーズンを過ごしました。ぺぺのおかげでリールが低迷期を脱したと言っても過言ではありません。年間最優秀選手候補の1人に選出され、リールも年間最優秀チームに選ばれます。リーグ・アンを代表するウイングストライカーとして世界が注目する選手になります。そして次のシーズンからプレミアリーグで挑戦する切符を手に入れたのです。

クラブ史上最高額の移籍金でアーセナルへ

2019年夏、クラブ史上最高額の7200万ポンドの移籍金でアーセナルへ移籍。リールでの活躍や多額の移籍金がかかったぺぺに多くの期待が寄せられます。アーセナルの前線はオーバメヤン、ラカゼット、ぺぺが並び強力な3トップを形成。しかし、エメリ監督のサッカーがうまく浸透せず低迷。アルテタが指揮官になったことで戦術が変化し、チーム状況も大きく変化するなどぺぺも難しいシーズンを過ごします。終わってみればアーセナルでのプレミア1シーズン目は31試合、5ゴール6アシスト。リーグ・アンでの活躍と比べると少々物足りない内容ではありますが、それでもぺぺの持ち味のテクニックやドリブルはプレミアでも通用することを十分に証明しました。2020-21シーズンは徐々にアルテタ監督の戦術がチームに浸透し、ぺぺもアーセナルに馴染んできました。アーセナルでの役割も少しずつ変化しLWでプレーしたり、前線から守備をする機会も増えています。

コートジボワール代表としてのニコラ・ペペ

若い頃から期待されていたぺぺは22歳から代表に召集されています。コートジボワールとフランスの二重国籍ですが、コートジボワール代表を選択。2016年フランス代表との親善試合でコートジボワール代表として代表デビュー。現在20試合に出場し5ゴールを決めており、クラブと同じ右ウイングのポジションで主力として躍動しています。現在のコートジボワール代表は、ぺぺ、ジェルビーニョ、ザハといったテクニックとスピードがある3トップを形成。2020年10月13日に行われた日本代表との親善試合でもスタメンで出場しました。

ニコラペペのプレースタイル・特徴

ぺぺの適性ポジションはRW。4-2-1-3や3-4-3のフォーメーションにおいてRWやLWの役割になることが多いです。ドリブルで相手を抜いていくスタイルを得意としています。カットインしてペナルティエリアに侵入するプレーは相手にとって脅威になります。

身体能力を生かしたスピード

身体能力が高く、アフリカ系特有のスピードが速い選手です。一度スピードに乗ると相手ディフェンダーはなかなか追いつけません。裏のスペースにきつめのボールを出しても追いつくので、そこからチャンスを作る事ができます。カウンター時の素早い攻撃をするときもぺぺのスピードが生かされます。

凄まじいキレのカットイン

右サイドを主戦場とする事が多く、鋭いカットインが持ち味です。カットインのキレが凄まじいので、相手DFはなかなかついていけずそのまま綺麗に弧を描いたゴールが決まるシーンを何度も目にしてきました。また、ぺぺは相手のタイミングしっかりとみてカットインしているのでDFはわかっていても振り切られてしまうのです。

繊細でしなやかなドリブル

さらに特徴的なのが独特な間合いのドリブルです。足に吸い付くしなやかなタッチのドリブルで変幻自在にボールを動かすトリッキーなプレーが得意。間合いが他の選手とは違い独自なドリブルを持っているので、DFはタイミングをずらされボールを奪取することが非常に難しくなります。ドリブルでスルスルとゴール前まで運んでいくプレーは見ていてワクワクしますね。

冷静に沈めることができる決定力

冷静であり、かつキーパーが取れない絶妙な位置にポールを蹴るキック精度があるため決定力が高い選手です。自身が幼少期にGKをしていた経験から相手キーパーの心理を熟知しているためゴールを決めることができるのです。またPKやFKなどセットプレイも得意としており、しっかりとゴールを決める技術と力を兼ね備えています。

ニコラペペの今後について

ニコラペペは、今後、どのような活躍が期待できるのか。

アーセナルで期待されること

期待されていたよりも得点やアシストなどゴールに絡むプレーが少なかった印象の2019-20シーズン。26歳とサッカーキャリアで絶頂期を迎えるぺぺはアーセナルで主力として活躍できるかに注目が集まります。アルテタ監督のサッカーがチームに浸透しつつある中で攻撃でも守備でも貢献できる選手になることが期待されています。近代フットボールでは前線の選手も献身的にプレーできることが重要視されています。チームメイトのラカゼットのように前線からのプレス、パスコースを切る動きなど献身的にプレーできるようになっていく必要があります。また、精神面やフィジカル面がぺぺの欠点でもあります。時に感情的になったり、DFをするのを諦めてしまったり、フィジカルで負ける場面がみられるので改善が必要です。指揮官のアルテタは献身性や規律に厳しい監督。監督に信頼されるためにも、アーセナルで活躍する上でもぺぺの成長が鍵となるでしょう。

コートジボワール代表としてW杯出場が期待される

2021年の6月にはコロナウイルスで延期されていたカタールW杯のアフリカ予選が始まる予定です。前回大会でコートジボワール代表はW杯に出場できませんでした。ドログバ、サロモン・カルー、ヤヤ・トゥーレなどという名選手が去った代表をもう一度ペペの活躍でチームをW杯の本大会に導くことが期待されます。今後ぺぺは代表チームでしっかり結果を残し、歴史に名を残すプレーヤーになることに期待がかかります。

試合に出られなければ移籍も?今後の去就に注目

2021年はチェルシーから移籍してきたウィリアンの加入やサカ、マルティネッリ、スミスロウといった若手が台頭してきたこともあり、ポジション争いが激化しています。2020-21の前半はベンチスタートが続き、サブにいることに不満を漏らしたぺぺ。現在は出場機会も徐々に増えつつ移籍の噂はあまり出ていませんが、ポジション争いに敗れるということになると移籍の話が出てくる可能性もあり得ます。テクニックとドリブルを兼ね揃えたドリブルができるRWはどのクラブでも需要があるので今後の去就にも注目です。アーセナル移籍時に獲得を狙っていたインテルやナポリなどが再び動き出す可能性もあります。