世界最高峰DFファン・ダイクの経歴・プレースタイルを徹底解剖

今や世界屈指のディフェンダーとしての呼び声が高いファン・ダイク。高いディフェンス能力、恵まれた体格、正確なパス、強いリーダーシップ。すべてを高いレベルで兼ね備えたディフェンダーは見たことがない。
2020-21シーズンは大怪我により試合に出場できる状況にないが、これまでの影響力から彼の復帰を望まないサポーターはいない。
今回は、いかにして世界最強のディフェンダーまで上り詰めたのか。ファン・ダイクのすべてに迫りたい。

ファン・ダイクのプロフィール

生年月日 1991年7月8日
国籍 オランダ
出身 オランダ
身長 193㎝
体重 92㎏
利き足
ポジション CB
背番号 リヴァプール:4
オランダ代表:4
タイトル セルティックFC
スコティッシュ・プレミアリーグ 2013-14、2014-15
スコティッシュ・リーグカップ  2014-15
リヴァプールFC
UEFAチャンピオンズリーグ    2018-19
UEFAスーパーカップ       2019
FIFAクラブワールドカップ    2019
プレミアリーグ         2019-20
個人
PFA年間ベストイレブン      2018-19
PFA年間最優秀選手賞       2018-19
プレミアリーグ年間最優秀選手賞 2018-19
UEFAチームオブザイヤー     2018-19
UEFA欧州最優秀選手賞      2019
FIFA/FIFProワールドイレブン   2019

ファン・ダイクの経歴

ファン・ダイクの幼少期から今に至るまで!

日の目を浴びなかったプロデビュー

現在、29歳で世界最高のセンターバックとの呼び声の高いファンダイクのキャリアは2011年、母国オランダのフローニンゲンFCから始まった。

デビューした当時から破格のフィジカルとアタッキングセンスを備えた大器として注目されていた彼は、若くしてレギュラーの座を掴んだ。

まだ成長途中であった彼はミスも多く、鈍足と称されるなどデビュー当初から輝かしい活躍という訳にはいかなかった。

しかし、その後めきめきと実力をつけると、主力として、62試合に出場し7得点を挙げるなどチームに欠かせない存在となったのだ。

セルティックでの圧倒的な存在感

これだけの活躍をする才能と恵まれた体格を持つ彼は、スコットランドの強豪セルティックへ活躍の場を移す。

当時のセルティックは圧倒的な強さを見せリーグ内では敵なしの状況であった。

すべての試合に勝つことを期待され、いつも60%ポゼッションして、常に攻撃的なスタイルでプレーしていた。

強豪が故にチーム内のポジション争いも熾烈であったが、強靭なフィジカルを生かし、すぐにセンターバックのポジションを勝ち取ると、2シーズンの間に115試合に出場し2度のリーグ優勝に大きく貢献したのだ。

サウサンプトン加入。最高の舞台、プレミアリーグへ挑戦

着実にキャリアを積み重ねたダイクは2015年、プレミアリーグに挑戦するときが訪れる。

移籍先に決まったサウサンプトンFCの監督はダイクがプロデビューを果たした。元フローニンゲンのロナルド・クーマンが務めていた。

ダイクの能力を高く評価していたクーマン監督はすぐに主力に抜擢するとその期待に応えプレミアリーグでも通用することを証明。

プレミアリーグ初挑戦となったシーズンだが、サウサンプトンの年間最優秀選手に輝いた。

加入2シーズン目の2017シーズン途中には主将を務めるなど、ピッチ上のリーダーとしても存在感を発揮。リーグカップの決勝進出に大きく貢献した。

当時サウサンプトンには日本代表の吉田麻也も所属しており、ポジションの同じ二人は、センターバックとしてコンビを組むことも多かった。

競争力の高いプレミアリーグにおいてサウサンプトンは強豪とは言えず、残留争いに巻き込まれることもあったが、ファンダイクを中心とした守備と、時にはセットプレーでの得点も上げチームのプレミアリーグ残留に大きく貢献したのだ。

2シーズンを過ごしたサウサンプトンでは67試合に出場し4得点という十分な成績を残す。

リヴァプールへ移籍。夢のアンフィールドへ

自身の能力を見せつけリーグ屈指のセンターバックであると証明したファンダイクは、リヴァプール、アーセナル、マンチェスター・シティ、チェルシーら名だたるビッグクラブが関心を寄せる存在になっていた。

ファンダイク本人がリヴァプール移籍を望むと、当時のプレミアリーグ ディフェンダー史上最高額となる7500万ポンド(114億円)で移籍が実現。

この破格の移籍金に当初世間は「そんな価値はない」といった声もあったが、そんな声は瞬く間になくなる。

FAカップ3回戦のエヴァートン戦でデビューを果たすと終盤にはヘディングで決勝点を挙げいきなり勝利に貢献。

当時、強豪でありながらくすぶっていたリヴァプールに大きな影響を与え、ファンダイクの加入により失点数が多く減ったのだ。

UEFAチャンピオンズリーグ2017-18では決勝進出に貢献。加入後ディフェンスリーダーとしてほとんどの試合に出場すると、2018-19シーズンにはリヴァプールはプレミアリーグ最少失点を誇った。

この年にPFA年間最優秀選手賞を受賞。ディフェンダーが受賞するのは実に14年ぶりの快挙となった。

2018-19シーズンにはUEFAチャンピオンズリーグ優勝に貢献。チームとして14年ぶりのヨーロッパ王者となった。

翌年もプレミアリーグ全38試合にフル出場をするとリヴァプール30年ぶりとなるリーグ優勝に大きく貢献。その後の活躍は皆さんの記憶にある通りだ。

オランダ代表でも欠かせない存在へ

ここまでクラブチームでのキャリアについて言及してきたが、ファンダイクはオランダ代表としても絶対的な存在だ。

2005年、UEFA EURO2016予選に臨むオランダ代表に初選出されると、カザフスタン戦にてフル代表デビュー。

これまで国際Aマッチ 33試合に出場し4得点を挙げるなどチームの主力として活躍。強豪オランダの躍進はファンダイクに懸かっていると言っても過言ではないだろう。

UEFA最優秀選手賞受賞 名実ともに最強のディフェンダーに

2018-19シーズン、ファンダイクは欧州サッカー連盟が選ぶUEFA最優秀選手賞を受賞した。

リヴァプールにとって14年ぶりとなるUEFAチャンピオンズリーグ制覇への貢献が大きく評価されたのだ。

攻撃的な選手と比較すると、比較的評価が難しいディフェンダー。2010-11シーズンに設立されて以来、ディフェンダーとしての受賞が初だったことからファンダイクの実力を見せつける事となった。

ファン・ダイクのプレースタイル・特徴

2019年DFでありながら、バロンドール賞受賞間近であったファン・ダイクの特徴とは。

鋭い読みによるカバーリング能力

ファンダイクの特徴としてまず挙げられるのはカバーリングの能力だ。

味方選手がファーストデイフェンダーとして相手選手へプレスをかけると、ファンダイクは抜群のポジショニングで抜かれた場合のカバーリングに備える。

相手選手のプレーを的確に読み常に先回りし有利な状況を作るプレースタイルにより、派手なスライディングやタックルをするシーンが極めて少なく、負傷や警告、退場による欠場もなく非常にクリーンでクレバーなのだ。

また、センタリングを入れられた場面でのゴール前のポジショニングも適切で、ボールの位置、敵の位置、味方の位置を瞬時に判断して、一番危険な位置に立ち続けることでピンチを未然に防いでいるのだ。

身体能力を生かした対人能力

相手選手との対人プレーにも絶対的な実力がある。

通常ディフェンスというのは、ボールを持っている相手のアクションにより対応しなければならないため不利な状況が多い。攻撃の選択肢は相手が先手を持っているからだ。

しかし、ファンダイクは自分よりスピードの速い選手との1対1の場面でも対応できる。

自分の立ち位置や体の向きで相手のプレー方向を限定して、縦しか行けなくなったタイミングで足を出してボールを奪う。

選択肢がなくなった瞬間に自分から仕掛ける。言わばリアクションではなく、アクションなのだ。

瞬時の判断で相手の選択肢を限定し誘導する能動的な守備で、主導権を握る。

2018-19シーズンには全50試合で相手に1度もドリブルで突破させなかったという驚異的な記録を残した。

空中戦の強さ

193cmという恵まれた身長を生かし、空中戦でも強さを発揮する。しかし単に身長だけがその要因ではない。

常に相手選手より早くボールの落下点に入り、相手選手よりも先に飛ぶことで、どんな相手であれ先にボールに触ることが出来るのだ。

加えて、体幹の強さも大きな武器となる。空中で相手と競り合うことでバランスを崩してしまう選手も多くいる中

ファンダイクはそれがない。空中であろうとも抜群のボディバランスで相手との接触を物ともせず、ボールに触れる。

守備においてはもちろん。この能力は攻撃のセットプレーでも大きな武器となりヘディングでの得点で何度もチームを救ってきたのだ。

正確なビルドアップ

ファンダイクはビルドアップも抜群。

リヴァプールといえばダイナミックな攻撃を得意としたチームだが、その攻撃もファンダイクがいてこそなのだ。

相手ディフェンスラインの綻びを見逃さず、前線へ正確なパスを送り、そのまま裏を取り得点が生まれる場面も多くある。

最終ラインからも常にチャンスを狙えるこのプレーは、相手チームの大きな脅威となるだろう。

現代サッカーにおいてディフェンダーのビルドアップ能力も重要な要素となっているなか、その点でも世界屈指の実力を兼ね備えている。

ユニホームに名字記載していない理由

ここで少し、プレースタイルの内容からは離れる。

ファンダイクのユニフォームの背中には「VIRGIL」というネームが入れられている。

この表記に違和感を覚えた人は少なくないだろう。一般的に背中のネームは、名字記載の場合が多い。

しかし、ファンダイクのこの表記は彼のファーストネームだ。その理由に、父親との確執があるからといった情報がある。

彼の父親は妻と3人の子供を残して去っていった。それが許しがたい出来事としてファンダイクの記憶に残っているのだ。

父親は大事な局面でいつもいてくれず、その気持ちから父親の名字を外したユニホームを着ているというエピソードがあるのだ。

ファン・ダイクの今後について

リヴァプールの最後の砦、今後もファンダイクに期待!

リヴァプールFCについて

ファンダイクの加入によりリヴァプールは世界屈指の強豪チームとなった。

プレー面ではもちろん、ピッチ外でもリーダーとしてチームに大きな影響を与えている。

現在チームの主将を務めているのはジョーダン・ヘンダーソンだが、場合によっては、彼がキャプテンマークを巻くこともあり、これからもチームの大黒柱としても大きな期待ができる。

しかし2021年現在、彼はピッチにいない。2020年10月に行われた試合で相手選手との接触で右ひざを負傷。靱帯損傷で最大8カ月の長期離脱となっている。その影響は計り知れず、絶対的な強さを誇ったリヴァプールも順位を落とすなど苦しんでいるのだ。

ファンダイクの存在の大きさを突き付けられている現在だが、しっかり完治しファンダイクが復帰を果たせばチームにとって大きなプラスとなる。彼の代わりはいないのだ。

オランダ代表について

オランダ代表のキャプテンでもあるファンダイクだが、怪我の影響で、来年6月に開幕が延期された欧州選手権(UEFA Euro 2020)を欠場する恐れもある。

これは代表チームにとって非常に大きな問題だ。

デリフトやデヨング、デパイといった若手が実力を伸ばしているオランダ代表は、欧州選手権でも非常に注目されているチームだ。

しかし、この欧州選手権がすべてではない。怪我をしっかり治し、ワールドカップなど数々の大会での活躍を期待するしかない。

移籍に関して

世界屈指の実力を持つファンダイクについては、彼を欲しがらないチームなどなだろう。

過去にもレアルマドリードやバルセロナ、ユベントスといった各国の強豪チームが興味を持っているといった噂が報じられてきた。

しかし、リヴァプールもファンダイクを放出する気はなく、怪我をしている状況の中5年契約を結ぶという話もある。

ファンダイクの移籍の可能性はあまり高くないだろう。

バロンドールについて

2019年UEFAチャンピオンズリーグ優勝の原動力となり、オランダ代表としても活躍したファンダイクはバロンドール受賞の筆頭候補に挙げられていた。

結果は惜しくもメッシに次ぐ2位となったが、高いパフォーマンスを維持し、クラブ、代表とも栄光に導くことが出来れば

2006年以来のディフェンダーとしてのバロンドール受賞も夢ではない。