昨シーズンの2019〜2020シーズンで、2位のバルセロナと勝ち点差5を開けてスペインリーグを制覇したレアル・マドリード。
今シーズンはチャンピオンズリーグで、2017〜2018以来の欧州制覇を希望しているファンも多いでしょう。
しかしながら、今シーズンのチャンピオンズリーグはグループステージ敗退になる可能性を最終節まで残していたほど苦戦を強いられました。
最終節で何とか首位通過をしたレアル・マドリードでしたが、ビッグクラブとしては少し物足りない成績だったことは、誰の目から見ても明白でしょう。
これからのレアル・マドリードに、少し不安を覚えている人も多いはずです。
そこで本記事では、チャンピオンズリーグにおけるレアル・マドリードの戦術や、これから注目して欲しい選手などを徹底解説しました。
目次
レアル・マドリードってどんなチーム?
レアル・マドリードとは、マドリード州マドリードを拠点に活動をしているサッカーチームです。
豊富な資金源から多くのスター選手を輩出した歴史のあるチームで、過去にはチャンピオンズリーグ13回、スペインリーグを34回制覇しています。もちろん、他のタイトルも多く獲得している超強豪チームです。
今シーズンはチームのレジェンドであるジダンが監督を務めています。
ジダンは2016年~2018年なでの3シーズンでレアル・マドリードを指揮していて、チャンピオンズリーグ3連覇やスペインリーグを2回制覇など、非常に素晴らしい成績を残しました。
しかしながら、ジダン退任後に指揮したロペテギやソラーリの成績が非常に悪く、過去に実績を残していたジダンが再びレアル・マドリードを指揮することになります。
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💥”ジダン監督”の成績
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✔️公式戦40試合無敗 [スペイン記録] ✔️公式戦73試合連続得点 [世界記録(タイ)] pic.twitter.com/eHBflW9kNn— Madridista 92:48 (@RMCF_Minuto93) March 11, 2019
レアル・マドリードの基本フォーメーション
ジダン監督は4-3-3のフォーメションを使用していて、サイドからカウンター攻撃を仕掛けるのが得意なチームです。
セントラルミッドフィルダーのポジションに位置するクロースとモドリッチは、オフェンシブミッドフィルダーくらいの高い位置でボールを支配して、ボランチの役割は主にカゼミーロが請け負います。
現在はサイドハーフのスタメンが確立しておらず、チェルシーから約156億円で獲得したアザールは怪我を繰り返している為、ヴィニシウスジュにオールが先発することも多いです。
基本的にはディフェンスとミッドフィルダーの選手は、スタメンが確立しています。
CL2020レアル・マドリードの特徴と戦術
それでは、レアル・マドリードの特徴と戦術を具体的に説明していきます。
これから紹介する3つの特徴・戦術によって、レアル・マドリードは機能していると言えるでしょう。
①サイドバックの攻撃参加
レアル・マドリードのサイドバックである「フェルランド・メンディ」と「カルバハル」は非常に攻撃的な選手で、サイドからの攻撃ではサイドハーフを追い越してクロスを上げることが頻繁にあります。
サイドハーフは「アセンシオ」や「アザール」、「ヴィニシウスジュニオール」などドリブラーが多いので、サイドバックの追い越しをフェイクにカットインしてドリブルを仕掛ける場面も多いですね。
サイドバックの攻撃参加によって、クロスを上げたりドリブルを仕掛けることができています。
②センターバックのビルドアップ
レアル・マドリードは短いパスを回すポゼッションサッカーのバルセロナとは違って、ロングパスによるカウンターのサッカーを得意としています。
特にセンターバックの「ヴァラン」や「セルヒオ・ラモス」のロングパスは非常に精度が高く、ビルドアップからサイドハーフが相手DFと一対一になるシーンは多いです。
また、体幹が強くて相手ディフェンスを背負えるベンゼマにロングパスを供給して、そこを起点にサイド展開やミッドフィルダーに落としてミドルシュートなども攻撃パターンにあります。
レアル・マドリードの攻撃は、センターバックのビルドアップから攻撃のスイッチが入ると言っても過言ではありません。
③クロースとモドリッチの攻撃参加
クロースとモドリッチはセントラルミッドフィルダーとして登録されていますが、試合になると非常に高い位置を取って攻撃に参加します。
特にモドリッチは攻撃が得意な選手で、スペインリーグのバルセロナ戦でも得点を決めました。
クロースは供給するボールの精度が非常に高く、2020〜2021シーズンのスペインリーグでのパス成功率は93.4%を超えています。
2人が高い位置を取ることで、相手のゴール近くでポゼッションをしながら、攻撃に厚みを作ることが可能です。
モドリッチめちゃくちゃ頑張ってくれてるし今日個人的に1番良かったと思う。前半カウンターのシーンで左からめちゃくちゃ猛スピードで上がってきたけど使われなかったシーンが印象的だった。剥がし方が上手すぎてえげつない(語彙力)
— 鹿レアル (@8PicwFcxVnaAsFG) February 7, 2021
④カゼミーロが潰し屋に徹する
サイドバックやセントラルミッドフィルダーが積極的に攻撃参加をする為、カウンターを受けた時のディフェンスが毎年のように課題に挙がっています。
そこでカゼミーロは、チームの攻撃時には少し低い位置を陣取って、カウンターに備えるポジショニングを取っているのが特徴です。
カゼミーロが潰し屋に徹することで、レアル・マドリードの選手が攻撃的なポジションを取れていると言えるだろう。
しかしながら、潰し屋に徹していることで、イエローカードを貰う機会は非常に多いです。2021年1月24日時点でスペインリーグで15試合に出場していますが、既に7枚のイエローカードを貰っています。チャンピオンズリーグでは5試合に出場して2枚のイエローカードを受けています。
イエローカードを受ける機会が多い為、出場停止の機会が増えることは大きな課題と言えるでしょう。
CL2020レアル・マドリードの注目選手
それではレアル・マドリードの注目選手を4人に厳選して紹介していきます。
これから紹介する4人の選手が、レアル・マドリードをCL2020で上位進出させる重要な役割を果たすでしょう。
①ベンゼマ
レアル・マドリードの得点源となっているベンゼマの奮起がなければ、CLの上位進出は不可能と言っても過言ではありません。
スペインリーグでは10得点を決めていて、CLでも4得点とチームで最多得点を記録しています。
クリスティアーノ・ロナウドがユベントスに移籍して以来、レアル・マドリードの得点不足は深刻化している為、現在のエースであるベンゼマに期待を寄せているファンも多いです。
他のフォワードの奮起も必要ですが、経験豊富なベンゼマが活躍しなければCLの上位進出は難しいですね。
②セルヒオ・ラモス
レアル・マドリードの守備陣を率いているセルヒオ・ラモスは、今年で34歳になる経験豊富なセンターバックです。
若手の頃は荒いプレーで退場するシーンも多かったですが、近年は安定したプレーでチームのピンチを救っています。
しかしながら、年を重ねるにつれて引退や移籍の噂が囁かれていて、今シーズンが終わった後の進退は決まっていません。
今シーズンでレアル・マドリードを去る可能性が高いセルヒオ・ラモスが、長年過ごしたチームを上位に進出させられるか注目です。
③バルベルデ
カゼミーロがボランチに君臨していることでチームが機能していますが、潰し屋という役目に徹している為、カードを貰って出場できない試合が出てくるでしょう。
それだけでなく、カゼミーロを全試合出場させるのは、体力面を考えると少し難しいです。
そこでボランチの位置での活躍が期待されるのは、22歳ながらレアル・マドリードで出場機会を確保しているバルベルデになります。
途中出場する機会が多いバルベルデですが、チームが勝っている状態で試合を上手く終わらせることができる安定感抜群の選手です。
攻撃的なチームの生命線になるボランチで活躍できるバルベルデが、カゼミーロの代役になれるかでCLの戦いぶりは大きく変わるでしょう。
④ヴァラン
セルヒオ・ラモスとタッグを組んでチームの守備をするヴァランですが、昨シーズンのCLでは失態を犯しました。
セルヒオ・ラモスが出場停止だったトーナメント1回戦のマンチェスター・シティ戦で、ヴァランはディフェンスリーダーを任されます。
一緒にセンターバックを組んだミリトンは経験値が浅く若い選手だったので、ヴァランがディフェンスを引っ張っていく立場でした。
しかしながら、ヴァランの判断ミスで2失点を献上してチームは敗退することになります。
去年の屈辱があるからこそ、ヴァランは今年のCLに力を入れていることでしょう。
昨年の大きな失敗から、どれだけ成長しているのか注目して頂きたいです。
CL2020レアル・マドリードの見どころ
それでは、今シーズンのレアル・マドリードの見どころを紹介していきます。
これから紹介する3つの見どころを意識して頂ければ、試合を楽しく観戦することが可能です。
①攻撃陣の奮起
レアル・マドリードの得点源はベンゼマになっていて、他のフォワードの得点数は非常に少ないです。
リーガで10得点を決めているベンゼマに対して、次にゴールを決めているのは4得点のカゼミーロになります。
フォワードの選手がゴールを決めなければ、CLの試合に勝つことは絶対にできません。
ベンゼマ以外のフォワードが得点を決められるかで、CLの成績が大きく変わることは明白です。
②優勝を経験した選手の経験値
レアル・マドリードは、CLを制覇した経験のある選手が多く在籍しています。
優勝を経験した選手が若手を引っ張っていかなければ、試合に勝つのは難しいでしょう。
特にフォワードはロドリゴやヴィニシウス・ジュニオール、アザールなどCL優勝を経験していない選手が多いです。
フォワード陣で優勝経験のあるアセンシオやベンゼマが、攻撃陣を引っ張っる必要がありますね。
🏁 試合終了: レアル・マドリード 2-0 アラベス
⚽ 11分 ベンゼマ (PK)
⚽ 51分 アセンシオ#Emirates | #RMLiga pic.twitter.com/3YVzr06WHS— レアル・マドリード C.F.🇯🇵 (@realmadridjapan) July 10, 2020
③若手選手の台頭
レアル・マドリードは選手の高齢化が進んでいて、先発している選手の半数近くは30歳を超えています。
モドリッチ | 35歳 |
セルヒオ・ラモス | 34歳 |
ベンゼマ | 33歳 |
トニークロース | 31歳 |
アザール | 30歳 |
経験のある選手が試合に出ることは良いですが、若手選手の台頭がなければ試合を戦い抜くことができないでしょう。
先ほど紹介したバルベルデだけでなく、ヴィニシウスジュニオールやロドリゴなど、活躍できる素質を持っている若手選手が期待に応えることができれば、CLで勝ち進むことができます。
若手選手の台頭が、レアル・マドリードの成績に影響を与えるのは明白です。
CL2020レアル・マドリードの展望
最後にCL2020における、レアル・マドリードの展望を解説していきます。
チーム成績に関して
グループステージを首位で通過したレアル・マドリードですが、最終節まで敗退する可能性がある大接戦でした。
グループステージの1試合目と2試合目に勝つことができないで最下位になりましたが、
3試合目と4試合目のインテル戦に勝利して調子を取り戻ります。
5試合目のシャフタールには再び敗戦しましたが、最終節のボルシアMG戦で勝利を収めて無事に首位通過を決めました。
かなり危険な戦いぶりを広げたレアル・マドリードがトーナメントの1stで戦うのは、昨年にCLベスト8に進出したアタランタになります。
アタランタはガスペリーニ監督が就任して以来、イタリアリーグで上位争いをしている攻撃的なチームです。
2019シーズンはイタリアリーグで98得点を取って、リーグの中で最も得点数が多いチームになりました。得点数が2番目に多いインテルと17得点も差を付けている為、攻撃的なチームと言えるでしょう。
ナポリ-アタランタを観たが、アタランタのCLが楽しみになってきたな
クロースモドリッチのコンビにどのくらいハマるか気になる— ダストボックス (@erde_0224) February 4, 2021
1stレグの展開予想
本記事の1stレグの展開予想ですが、堅い試合になると予測しています。
どちらもカウンターを得意としているチームですが、アタランタの破壊的な攻撃力を考慮して、レアル・マドリードは守備に徹する時間が長くなるでしょう。
普段は高い位置でプレーしているクロースとモドリッチも、アタランタが相手であれば守備的にプレーしなければいけません。
レアル・マドリードがアタランタの攻撃を受けて、隙をみてカウンターをする展開を予測しています。
レアル、DFセルヒオ・ラモスが手術で約2カ月の離脱へ…CLアタランタ戦の欠場確実に
レアル・マドリードのスペイン代表DFセルヒオ・ラモスはしばらく戦列を離れるようだ。5日、スペイン紙『マルカ』をはじめ複数メディアが報じてい… #レアルマドリーhttps://t.co/cRoNzziwm0 pic.twitter.com/ZVJqJTcR1Y
— RealMadrid News Bot (@realmadrid_f14s) February 6, 2021
まとめ
本記事では、レアル・マドリードのCL2020について徹底解説しました。
最後に総評をまとめておきます。
総評
レアル・マドリードは若手選手の台頭が無ければ、CLの試合で勝つのは難しいでしょう。
「バルベルデ」「ロドリゴ」「ヴィニシウスジュニオール」の3人の活躍があれば、上位進出することができるでしょう。
また、エースとしての活躍が期待されるアザールの復活にも期待です。
優勝経験のある選手は安定感あるプレーができるので、若手や新加入選手が活躍できるか注目して試合をご覧下さい。