チェルシーの『ダイナモ』エンゴロ・カンテのプレースタイル・経歴を解説

2021シーズンにカイ・ハフェルツやティモ・ヴェルナーなど、積極的な補強をしたプレミアリーグの名門・チェルシー。世界トップクラスの選手がいる中で不動のダイナモと呼ばれているのが、2016-17シーズンからチェルシーに所属しているMFエンゴロ・カンテです。中盤エリアでボールを狩る能力に優れ、チーム数人分の運動量があります。そんなエンゴロ・カンテがどんな選手で、どんな経歴を歩んできたのか気になる人もいるのではないでしょうか。
ここでは、エンゴロ・カンテの経歴やプレースタイルについて詳しく解説します。

エンゴロ・カンテのプロフィール

 

生年月日 1991年3月29日
国籍 フランス、マリ
出身 リュエイユ・マルメゾン
身長 169㎝
体重 68㎏
利き足
ポジション CMF・DMF
背番号 チェルシー:7
フランス代表:13
タイトル プレミアリーグ優勝:2回
FAカップ優勝:1回
UEFAヨーロッパリーグ優勝:1回
FIFAワールドカップ優勝:1回
PFA年間ベストイレブン:2回
PFA年間最優秀選手賞:1回
FWA年間最優秀選手賞:1回
プレミアリーグ最優秀選手賞:1回
フランス年間最優秀選手賞:1回
海外年間最優秀フランス人選手賞:1回
FIFA/FIFProワールドイレブン:1回
UEFAヨーロッパリーグ優秀選手賞:1回

エンゴロ・カンテの経歴

世界屈指のMFであり、不動のダイナモとしてプレーしているエンゴロ・カンテですが、これまでにどんなサッカー人生を歩んできたのでしょうか。
ここでは、エンゴロ・カンテの経歴についてもう少し詳しく解説していきますね。

幼少期・生い立ち、プロ入り前

エンゴロ・カンテの両親はマリからの移民で、1980年にフランスへ移住。

エンゴロ・カンテが生まれ育ったのはリュエイユ・マルメゾンで、家庭は非常に貧しく幼少期の頃からゴミ拾いをして働いていました。

ゴミ拾いといっても近くにあるゴミを拾う簡単な作業ではなく、まだ使えそうなゴミを何キロも歩いて拾いながら、リサイクルセンターに運ぶ作業を行っていたとのことです。

しかし、ゴミ拾いだけではとても貧困な生活から抜け出せないと考えていたエンゴロ・カンテは、何か別の道を考えていました。

そんな中、1998年ワールドカップでフランス代表が見事に優勝を飾ります。

当時のフランス代表には、ジネディーヌ・ジダンやパトリック・ヴィエラなど移民選手が多数おり、エンゴロ・カンテの耳にも移民選手たちの活躍が届いていました。

これまでサッカーの試合を見たこともなかったエンゴロ・カンテは、サッカーとしてのキャリアを考えたときに、家の近くにサッカーのクラブチームがあることに気づきます。

そして、10歳の頃にシュレンヌというクラブに所属しました。

当時から誰よりも体が小さかったものの、チームの誰よりも走り、チームのために戦い抜く選手だったそうです。

そんな中で、子供時代のエンゴロ・カンテを指導したコーチは、「2ヶ月で左足50回、右足50回、頭で50回のリフティングを成功させろ」という課題を与えました。

すると、エンゴロ・カンテは本当に2ヶ月でその課題をやってのけたのです。

エンゴロ・カンテはまさに、努力の天才ともいえるでしょう。

2010年からは当時フランスの2部に所属していたブローニュへ移籍。

背番号は35番を背負い、翌シーズンには34番へ変更しています。

ブローニュでは3部降格を経験するものの、2012-13シーズンには公式戦38試合に出場すると、3ゴールを記録しチームの中心選手として活躍しました。

カーン

ブローニュでも活躍を評価されたエンゴロ・カンテは、2013年に当時フランス2部に所属していたカーンへ移籍しました。

背番号17を背負い、カーンに加入したシーズンから持ち前の無尽蔵なスタミナを活かして、チームの中心選手してプレー。

シーズン通して42試合に出場し、3得点4アシストを記録し、フランス1部リーグ昇格に大きく貢献しました。

カーンにとって、守備面で違いを作るエンゴロ・カンテの存在は大きかったといえるでしょう。

フランス1部リーグに昇格したシーズンでも、エンゴロ・カンテは守備面で力を発揮し、素晴らしいMFであることを証明しました。

そして、エンゴロ・カンテの存在が世界に広まったのは、レスター・シティに移籍したあとといえるでしょう。

レスター・シティ

カーンで活躍したエンゴロ・カンテは、2015年8月にプレミアリーグのレスター・シティへ移籍しました。

移籍金は公表されていないものの、800万ユーロ(およそ10億円)と言われています。

2015-16シーズンのレスターは名将ラニエリ監督が指揮しており、エンゴロ・カンテはレスター・シティの戦術にうまくマッチしたといえるでしょう。

背番号は14を背負い、岡崎慎司選手やジェイミー・ヴァーディーとともにカウンターサッカーの起点として存在感を発揮。

レスター・シティのプリミアリーグ初優勝に大きく貢献しました。

公式戦40試合に出場し1得点4アシストを記録。

しかし、エンゴロ・カンテは数字でわかるところ以外での活躍が凄まじかったですね。

『ミラクルレスター』と評されプレミアリーグを制したのも、エンゴロ・カンテの守備力があったからこそでしょう。

チェルシー

レスター・シティでプレミアリーグを制したエンゴロ・カンテは、2016年7月にチェルシーへ移籍しました。

移籍金は3200万ポンド(およそ44億円)で、背番号は7番に決定。

チェルシーでもエンゴロ・カンテらしく、チームのためにピッチを走り回り、中盤のダイナモとして素晴らしいプレーを披露しました。

2017年4月には2年連続でプレミアリーグベストイレブンに選出。

さらにはPFAの年間最優秀選手賞とFWA年間最優秀選手賞をダブル受賞するなど、世界最高のMFと評されるほどの活躍をみせました。

チェルシーの2年ぶりとなるリーグ優勝に大きく貢献し、エンゴロ・カンテにとってはレスター・シティ在籍時に続き、2年連続のプレミアリーグ優勝を果たしています。

2018-19シーズンには新たにサッリ監督が就任。

パスサッカーを好むサッリ監督の元では、エンゴロ・カンテは1列前のポジション(インサイドハーフ)でプレーするようになりました。

慣れないポジションに苦戦しながらも、リーグ戦36試合に出場して4得点を記録。

しっかりとしたパスワークとボール運びの技術も向上し、プレーの幅を広げたシーズンともいえるでしょう。

さらに、UEFAヨーロッパリーグ優勝にも大きく貢献し、ヨーロッパリーグ優秀選手賞にも選出されました。

フランス代表

エンゴロ・カンテがフランス代表に招集されたのは、2016年3月でした。

レスター・シティでの活躍がデジャン監督に認められると、2016年3月25日に行われたオランダ戦で代表デビューを果たしています。

フランス代表では7番を背負い、2ボランチの1角として活躍をみせ、UEFA EURO 2016にも出場。

2018年FIFAW杯ロシア大会でもチームの中心選手として活躍し、フランスのW杯優勝に大きく貢献しました。

エンゴロ・カンテのプレースタイル・特徴

チェルシーやフランス代表では、CMFやDMFとしてプレーしているエンゴロ・カンテ。
圧倒的なスタミナとボール奪取力で相手の攻撃を封じ込め、正確なパス捌きで攻撃にリズムを与えることも可能です。ここでは、エンゴロ・カンテのプレースタイルや特徴についてもう少し具体的に説明していきますね。

運動力(スタミナ)

エンゴロ・カンテの1番の特徴といえば、無尽蔵のスタミナです。

中盤エリアで縦横無尽に走り回り、ボール奪取し続ける姿は、相手にとって嫌な選手といえるでしょう。

どこにでも顔を出してチームのために貢献するプレーは、元フランス代表のダイナモMFマケレレとも似ていますね。

レスター・シティやチェルシーがプレミアリーグを制覇したのも、フランス代表が2018年W杯を優勝したのも、エンゴロ・カンテの黒子役としての貢献度が大きいでしょう。

シャイな性格

ピッチ上では誰よりも走り、中盤のダイナモとして貢献しているエンゴロ・カンテですが、ピッチ外ではシャイな性格としても知られています。

2018年W杯で優勝したとき、フランスの選手たちは我先にトロフィーを掲げてポーズを取っていました。

しかし、シャイな性格のエンゴロ・カンテはトロフィーを自分の手に抱えられないでいたのです。

その姿を見ていたチームメイトのエンゾンジが声をかけ、トロフィーをエンゴロ・カンテに渡したそうですが、控えめな性格だとわかるエピソードでしたね。

ボール奪取能力

豊富なスタミナを活かして、相手からボールを奪うボール奪取能力に優れています。

MFにはテクニシャンやパスを捌いてリズムを作る選手など、異なるタイプの選手が存在しますが、エンゴロ・カンテのようなボール奪取能力に優れた選手はなかなかいません。

エンゴロ・カンテが中盤にいるだけで、チームの守備力は飛躍的に向上します。

それだけ守備への貢献度が高い選手だということです。

シンプルなパス捌きとボール運び

エンゴロ・カンテはチェルシーでインサイドハーフを務めることもあり、レスター・シティ時代のときと比べて攻撃能力も向上しました。

決して決定的なチャンスを作り出すプレーが多いわけではありませんが、シンプルにパスを捌いてリズムを作ることも可能です。

さらに、身体能力を活かしてボールを前に運ぶドリブル能力も向上し、プレーに幅ができたといえるでしょう。

エンゴロ・カンテの今後について

2021年3月29日で30歳を迎えるエンゴロ・カンテは、サッカー選手としてもベテランの域に入ろうとしています。
そんなエンゴロ・カンテの今後について、もう少し詳しく説明していきましょう。

チェルシーについて

チェルシーに加入してからチームのために貢献してきたエンゴロ・カンテですが、2020-21シーズンにはフランク・ランパード監督との関係悪化が報じられました。

関係悪化の理由については、以下のように報じられています。

「カンテは親友の結婚式に参加するため、トレーニングの欠席を申し出た。しかしランパード監督はこれを拒否し、カンテには大きな不満が残った」

引用元:https://www.football-zone.net/archives/288287

エンゴロ・カンテは2019シーズンも怪我が影響して出場機会が減少し、フランク・ランパード監督が就任してからもベンチ要員へ降格。

今後はチェルシー移籍も視野に入ってくるのではと思われます。

フランス代表について

フランス代表としては、延期となっているEURO2020が6月からスタートします。

フランスはグループEで、ハンガリー・ドイツ・ポルトガルと対戦。

グループステージから優勝候補のドイツとポルトガルとの対戦があり、グループEがどこが勝ち上がってくるかわかりませんね。

さらに、フランス代表には優秀なMFが数多くおり、ポール・ポグバやアドリアン・ラビオ、ウッセム・アウアーなどライバルも多数。

出場機会が減少しているエンゴロ・カンテにとって、まずはレギュラーを勝ち取れるかどうかの勝負になるでしょう。

移籍について

フランク・ランパード監督との関係悪化が報じられると、チェルシー加入時に監督であったアントニオ・コンテ監督率いるインテルへの移籍が報じられました。

また、ジネディーヌ・ジダン率いるレアル・マドリードへの移籍の可能性も報じられるなど、今後の移籍についても注目が集まっています。

過去には自身の母国であるフランスのパリSGからオファーを受けたものの、チェルシーで過ごす時間に満足しており、オファーを断っていました。

そんなチェルシーでは2018年に5年の契約更新を発表し、残り3年の契約期間が残っています。

フランク・ランパード監督が解任され、トゥヘル新監督のもとで出場機会を増やせるかが、今後の鍵となってくるでしょう。