「輝きを取り戻したオレンジ軍団」EURO2020オランダ代表の戦力と注目選手を解説

2大会ぶり10度目のEURO本大会出場を決めたオランダ代表ですが、予選での戦いは決して簡単な道程ではありませんでした。グループCに同居した最大のライバルは、過去に数々の名勝負を繰り広げてきた「因縁の相手」ドイツ。その他マイケル・オニール監督就任後に急成長した「難敵」北アイルランドなど厳しい試合を戦い抜き、オランダは最終的に2位で本戦出場を決めました。
今回はそんなオランダ代表のEURO本大会に向けた「予想される代表メンバー」「チームの戦術」「注目選手」などを徹底解剖し、皆さんにご紹介したいと思います。
前回の2016EURO、2018ロシアワールドカップと本大会出場を逃した「暗黒の4年間」に終止符を打ったオランダ代表が、新型コロナウイルスの影響により1年延期された今年のEURO本大会でどのような戦いを見せてくれるのか注目されます。

オランダ代表について

2大会ぶり10度目のEURO本大会出場を決めたオランダ代表ですが、予選での戦いは決して簡単な道程ではありませんでした。

グループCに同居した最大のライバルは、過去に数々の名勝負を繰り広げてきた「因縁の相手」ドイツ。その他マイケル・オニール監督就任後に急成長した「難敵」北アイルランドなど厳しい試合を戦い抜き、オランダは最終的に2位で本戦出場を決めました。

今回はそんなオランダ代表のEURO本大会に向けた「予想される代表メンバー」「チームの戦術」「注目選手」などを徹底解剖し、皆さんにご紹介したいと思います。

前回の2016EURO、2018ロシアワールドカップと本大会出場を逃した「暗黒の4年間」に終止符を打ったオランダ代表が、新型コロナウイルスの影響により1年延期された今年のEURO本大会でどのような戦いを見せてくれるのか注目されます。

オランダ代表EURO2020のチーム紹介

ロシアワールドカップの出場を逃した翌年に就任したロナルド・クーマン監督の下、新たなスタートを切り2大会ぶりにEURO本大会出場を決めたオランダ代表ですが、2020年9月にこれまで指揮を取っていたクーマン監督がバルセロナへの監督就任により辞任し、後任監督として同国代表OBのフランク・デ・ブール新監督が就任しました。

現役時代に2度のワールドカップと4度のEURO出場、歴代3位の代表出場記録と偉大な記録を持つ同監督にとって、EURO開催まで残り1年を切った難しいタイミングでの監督就任となりました。

新監督の初陣となったメキシコ代表との親善試合は敗れたものの、UEFAネーションズリーグではイタリア・ポーランド・ボスニア・ヘルツェゴビナと同居したグループを監督交代の影響を感じさせない安定した戦いでイタリアと勝ち点1差のグループ2位で終えました。(各グループ1位チームのみ次のステージへ進出する為、惜しくも決勝ラウンド進出は逃しました)

過去にオランダ代表チームでアシスタントコーチの経験があるフランク・デ・ブール監督の就任後の方針については、今のところ選手を大きく変更することはせず、前監督クーマンが行ったチームの良い流れを上手に引き継いでいる印象です。

【オランダ代表のEURO予選結果】

HOME 結果 AWAY
第1節 イングランド 5-0 チェコ
第2節 モンテネグロ 1-5 イングランド
第3節 イングランド 4-0 ブルガリア
第4節 イングランド 5-3 コソボ
第5節 チェコ 2-1 イングランド
第6節 ブルガリア 0-6 イングランド
第7節 イングランド 7-0 モンテネグロ
第8節 コソボ 0-4 イングランド
順位 チーム 試合
1 イングランド 8 7 0 1 37 6 31 21
2 チェコ 8 5 0 3 13 11 2 15
3 コソボ 8 3 2 3 13 16 -3 11
4 ブルガリア 8 1 3 4 6 17 -11 6
5 モンテネグロ 8 0 3 3 3 22 -19 3

オランダ代表の基本フォーメーション

ナショナルスタイルの4-3-3システムによってボールポゼッション率を高め、タレント豊富なウイングを活かした攻撃が最大の特徴です。

状況に応じて4-2-3-1や5-3-2等、柔軟にシステム変更を行います。

■オランダ代表予想メンバー

 

GK ヤスパー・シレッセン バレンシア
ティム・クルル ノリッジ・シティ
マルコ・ビゾット AZ
DF(LSB) デイリー・ブリント アヤックス
デイリー・シンクフラーフェン レバークーゼン
パトリック・ファン・アーンホルト クリスタル・パレス
オーウェン・ワインダル AZ
(RSB) ハンス・ハテブール アタランタ
ヨエル・フェルトマン ブライトン&ホーヴ・アルビオン
デンゼル・ダンフリース PSV
(CB) フィルジル・ファン・ダイク リヴァプール
ステファン・デ・フライ インテル
マタイス・デ・リフト ユベントス
ナタン・アケ マンチェスター・ユナイテッド
MF(DMF) フレンキー・デ・ヨング バルセロナ
トゥン・コープマイネルス AZ
ケビン・ストロートマン ジェノア
OMF ジョルジニオ・ワイナルドゥム リヴァプール
ドニー・ファン・デ・ベーク マンチェスター・ユナイテッド
モハメド・イハッターレン PSV
マルテン・デ・ルーン アタランタ
パブロ・ロサリオ PSV
ダビ・クラーセン アヤックス
FW(LWG) ドニエル・マレン PSV
クインシー・プロメス アヤックス
ライアン・バベル ガラタサライ
(RWG) ステーフェン・ベルフワイン トッテナム
カルヴァン・ステングス AZ
ステーフェン・ベルフハイス フェイエノールト
(CF) メンフィス・デパイ リヨン
ヴォウト・ヴェグホルスト ヴォルフスブルク

オランダ代表の戦術と特徴

前クーマン監督が築き上げた攻守に安定したオランダ代表。

積極的なハイプレッシングと優れたボール奪取能力

プレッシングディフェンスをベースにしており、フィールドプレーヤー全員が素早くアグレッシブにボールを奪い攻撃に繋げる特徴を持っています。

3バックシステムの際は予測力とカバーリング能力に長けたセンターバックの配置で相手攻撃スペースを消し、素早いボール奪取を行い攻撃に転じます。

両ウイングバックは運動量とスピードに長けた「エネルギッシュ」な選手起用を積極的に行い、高い位置からのボール奪取を得意としています。

的を絞らせない多彩な攻撃戦術

ポゼッションサッカーを軸とした攻撃が特徴で、前線の選手が流動的にポジションチェンジを行い得点につなげます。

トップ下にペナルティーエリアに侵入しゴールに直結する動きが可能な「フリーランニング」を得意とする選手を配置するケースが多いです。その他「偽9番」を置く「ゼロトップシステム」を採用することで、中盤で数的有利を作り出し試合の主導権を握る攻撃を可能としています。

ゲームに変化を加える交代選手の充実

試合展開によってフィジカルの強さと高さがある攻撃選手を起用し、クロスプレーから得点を奪いに行きます。

スピードのある両ウイング選手の能力を活かしたオーソドックスなサイド攻撃から、得点に繋げる攻撃スタイルも得意としています。

オランダ代表の注目選手

フィルジル・ファン・ダイク

オランダ代表のキャプテンでもあり守備陣をまとめる絶対的リーダーです。

193cm,92kgと恵まれた体格を活かしたフィジカルとデュエル勝率の高さが魅力の選手です。

また、大柄ながらスピードと柔らかなボールタッチも兼ね備えた「現代最高のセンターバックの1人」と言えるでしょう。

代表チームでは守備以外にビルドアップの起点となり積極的に攻撃の組み立てに参加して、チームのボール支配率を高めます。

打点の高いヘディングでセットプレーから得点するシーンも多く攻守において非常に重要な選手です。

1つ気がかりな点は、昨年10月に所属するリバプールの試合で前十字靭帯損傷の大怪我を負い、現在リハビリ中の状態です。戦列復帰に関しては明かされておらず、EURO出場は不透明な状態です。

変えの効かない選手だけに出来るだけ早い復帰が望まれます。

世界最高峰DFファン・ダイクの経歴・プレースタイルを徹底解剖

フレンキー・デ・ヨング

オランダ代表の「心臓」と言われるチームのキーマンの1人です。

ドリブルスキルとパス精度が非常に高く、卓越したテクニックでゲームを組み立て、決定的なパスを前線の選手に供給します。

ボランチ以外にアンカー・インサイドハーフ・トップ下など複数ポジションを高いレベルでプレーできる点もチームにとってプラスとなっています。

ポゼッションサッカーを軸としているオランダ代表にとって必要な素晴らしい才能を持った選手です。

マタイス・デ・リフト

17歳でオランダ代表デビューを果たし、将来のオランダ代表キャプテン候補としてディフェンスラインを支えるデ・リフトは、現在21歳ながら非常に完成度の高いプレーを披露できる選手です。

サッカーIQの高さと21歳とは思えないほどの冷静な判断力を持っており、リーダーシップが取れ、時には気持ち溢れるプレーでチームを鼓舞する「ファイター」としてチームに貢献する姿も魅力的な選手です。

プレーの特徴は、センターバックとして相手チームの攻撃の先を読んだ「ポジショニングの上手さ」にあります。パスに対してのインターセプトやドリブル対応、クロスボールに対する守備。全てにおいて一級品のプレーを見せています。

競り合いにも強く、攻撃時のセットプレーから高い打点でヘディングシュートを打つことができます。

ビッグネームが揃う現在のオランダ代表のセンターバックの中で、若くしてスタメンの座を勝ち取ったデ・リフトのプレーに目が離せません。

メンフィス・デパイ

現在のオランダ代表の「0トップ」システムのファーストチョイスとして中央でのプレーを務めているデパイは正確なキック精度と切れ味鋭いドリブルで得点に絡むことが可能な「万能型フォワード」です。

小柄ながら激しいチャージに耐えれるフィジカルと、相手チームの背後を突く動きで多くの得点シーンに絡んでいます。

以前は左ウィングを中心にプレーしており、複数のポジションを務められる点もチームの助けになっています。足元の技術の高さからの決定的なパスで味方選手の得点を演出するシーンも多く、マルチな才能に溢れた「現代的なフォワード」と言えるでしょう。

彼の溢れた才能を本戦で発揮する事ができれば、相手チームにとって脅威となることは間違いありません。

オランダ代表EURO2020の見どころ

オランダ代表は、EURO2020でどのような結果をもたらしてくれるのでしょう。

弱点であった守備力の飛躍的な向上

これまでのオランダ代表のチームスタイルは、イタリア代表のような1−0での手堅い勝利ではなく5−4で勝つ攻撃的なサッカーがベースとなっていましたが、現在のチームの守備陣には非常に多くのタレントが揃っています。

「ワールドカップを凌ぐ大会」と言われるEUROにおいて、各強豪国のアタッカー陣にオランダ守備陣がどこまで対応できるか注目されます。

伝統的なスタイルと現代的スタイルの共存

ポゼッションとダイレクトプレーを巧みに使いこなす現在の代表チームは、中央から崩して得点に繋げるパターンも増えましたが、やはりオランダ代表の特徴といえばピッチを広く使った幅のある攻撃スタイルと得点力ではないでしょうか。伝統的なウイングの能力を活かしたワイド攻撃をどのような対戦国にどの局面で披露するのか注目されます。

豊富に揃う代表入りを狙う次世代のスター候補

才能の宝庫と言われるオランダ・エールディビジで現在活躍する若手選手が数多くいます。

リーグで結果を残す若手選手をEURO本戦に挑む招集メンバーに数名登録する可能性があり、今後選考についてフランク・デ・ブール監督は頭を悩ませる事でしょう。

ベテラン・中堅選手に加え代表に選ばれる「期待の新星」が誰になるのか注目されます。

オランダ代表EURO2020の展望

各試合の展望を述べていく。

チーム成績に関して

【グループステージ】

グループC:オランダ・ウクライナ・オーストリア・北マケドニア

第1戦6/14オランダVSウクライナ

現在、母国の英雄アンドリー・シェフチェンコが率い、予選では前回大会王者のポルトガルを抑えて首位で本大会出場を決めたウクライナ。

フィジカルの強いディフェンダー陣に対して、スピードのあるオランダのアタッカー陣がどのような仕掛けで崩せるかが鍵となりそうです。

第2戦6/18オランダVSオーストリア

予選を2位通過で本大会出場を決めたオーストリア代表にはドイツ・ブンデスリーガのチームに所属する選手が数多くいます。チームの中心選手のバイエルンミュンヘン所属ダビド・アラバに気持ちの良いプレーをさせない事が重要になるでしょう。彼と対峙するオランダの中盤選手の出来が試合結果に影響しそうです。

第3戦6/22オランダVS北マケドニア

予選を3位で終え、プレーオフから初の本戦出場を果たした北マケドニア。

FIFAランキングでは65位でグループ4チームの中で最下位ですが、現在のチームには勢いを感じます。

キャプテンのゴラン・パンデフはベテランながら決定力があり、オランダのディフェンダー陣は注意が必要です。その他、セリエA・ナポリに所属するエリフ・エルマスなど逸材もおり、決して侮れない対戦相手となりそうです。

【決勝トーナメント】対戦国未定

グループC1位通過の場合:グループDEFいずれかの3位チームと対戦

オランダがグループステージで1位通過した場合は、グループDEFいずれかの3位チームとの対戦となり、1位通過の方が決勝トーナメントに進出した上で強豪国との対戦を避けられる可能性が高くなります。しかし、今回のグループFの出場国はフランス・ドイツ・ポルトガル・ハンガリーと強豪国が同居する「死の組」ですので、仮にグループFの3位チームとの対戦が決定した場合は非常に厳しい戦いが予想されます。

グループC2位通過の場合:グループA1位チームと対戦

オランダがグループステージで2位通過した場合は、グループA1位との対戦となります。グループAの出場国はイタリア・トルコ・ウェールズ・スイスです。FIFAランキング上でいえばトップのイタリアが1位通過する可能性が高いです。

仮にイタリアとの対戦となれば、過去に国際Aマッチで対イタリア戦3勝9分9敗のオランダにとっては「分が悪い相手」との対戦となるでしょう。

監督や戦術について

死のグループも存在する中、オランダは比較的恵まれたグループに入ったのではないでしょうか。

今回のEUROは史上初の欧州12カ国による分散開催で行われます。

その中でオランダ代表が戦うグループリーグの3戦全て、オランダ代表のホームスタジアムで戦い慣れているアムステルダムの「ヨハンク・ライフ・アレナ」にて開催される事も非常に有利に働くでしょう。

まずはグループステージ突破に向け重要な点は、初戦の入りではないでしょうか。仮に初戦のウクライナ戦で大敗を喫するようなことがあれば、戦術的にも精神的にも2戦目以降大きな影響を及ぼしそうです。チームの貫くサッカースタイルをピッチで全員が表現できればきっと良い結果に現れるのではないでしょうか。

まとめ

今回ご紹介した選手以外にも、トップ下として豊富な運動量と高い得点能力を誇るドニー・ファン・デ・ベークや197cmの高さと圧倒的なフィジカルの強さを持つセンターフォワードのヴォウト・ヴェグホルストなどチームに変化をもたらす事ができる選手が控えています。

若手では長短のパスを巧みにコントロールしながらゲームをコントロールできる21歳のトゥーン・コープマイネルス、足に吸い付くようなドリブルからの崩しとフィニッシュで違いを生み出す18歳のモハメド・イハッターレン、爆発的なスピードとテクニックでサイドを切り裂くドニエル・マレンなど才能豊かな若手がおり、EUROにメンバー入りされるか注目されます。

本大会が近づくにつれ注目されるのは、やはりチームキャプテンのファンダイクの復帰時期でしょうか。彼の不在はチームにとって大きな打撃となりますので、なんとか開催までに完治してほしいと願うばかりです。

キャプテンがチームに戻り、個性派揃いの選手達をまとめ上げチームが良い状態で大会に臨むことができれば、1988年大会以来2度目のEURO制覇も見えてくるのではないでしょうか。

エキサイティングな試合と感動を与えてくれるEURO2020で「オレンジ軍団」がどのようなプレイで世界のサッカーファンを沸かせてくれるか開催が待ち遠しい限りです。