トッテナム万能FWエリク・ラメラの経歴・プレースタイルに迫る

近年、プレミアリーグで毎年優勝争いを演じるトッテナムには、ケインやベイル、ソン・フンミンなど数多くのスター選手がいます。しかし、なかなか名前は挙がらなくてもチームを支えている役者は存在するもの。エリク・ラメラもその一人です。今回は、攻撃的なポジションならどこでもこなすトッテナムの万能アタッカー、エリク・ラメラに焦点を当てていきます。

エリク・ラメラのプロフィール

 

生年月日 1992年3月4日
国籍 アルゼンチン
出身 ブエノスアイレス
身長 183㎝
体重 73㎏
利き足
ポジション MF、FW
背番号 トッテナム:11
アルゼンチン代表:9
タイトル コパ・アメリカ2015 準優勝

エリク・ラメラの経歴

エリク・ラメラの幼少期から今に至るまで!

幼少期・生い立ち、プロ入り前

エリク・ラメラは1992年、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで生まれます。幼いころからサッカーの才能は際立っており、12歳のころにはあのバルセロナが獲得に乗り出したといいます。ラメラの両親がこの申し出を断ったことからスペインにはいきませんでしたが、当時から飛びぬけてサッカーが上手だったことがわかるでしょう。

その後はアルゼンチンの強豪チームであるリーベルプレートの下部組織に入団。2009年の6月にプロデビューを果たします。

CAリーベル・プレート

17歳の若さでリーベルプレートでのプロキャリアをスタートしたエリク・ラメラでしたが、2008/09シーズン、2009/10シーズンはそれぞれ1試合の出番に終わります。

しかし、2010/11シーズンには一気にレギュラーに定着。チームが低迷していることもあり個人成績は4ゴールに終わったものの、若くしてチームの主力となったラメラにアルゼンチンのサッカーファンは注目。2011年5月にはアルゼンチン代表デビューも果たしました。

ASローマ

2010/11シーズンにリーベル・プレートがクラブ史上初の2部降格となったこともあり、ラメラは活躍の舞台を欧州に移します。

移籍先はイタリアの強豪チームであるASローマ。移籍金1200万ユーロ、5年契約での移籍でした。

移籍初年度である2011/12は29試合で4得点とまずまずの成績に終わったものの、翌2012/13シーズンにはリーグ戦33試合で15ゴールを決めるなど本格的にブレイク。ヨーロッパ中が注目する期待の若手へと踊り出ることになります。

トッテナム・ホットスパー

2013年8月に、エリク・ラメラはプレミアリーグのトッテナムへと移籍が決定。背番号はレアルマドリードへ移籍したガレス・ベイルから引き継いだ11に決まりました。アーセナルやリヴァプールなど名だたるチームが手を挙げる中での獲得で、移籍金は3000万ユーロ。これは当時のトッテナム歴代最高額で、エリク・ラメラへの期待感の高さが伺われます。

その後は2021年1月現在まで約150試合に出場。当初の期待ほどの結果は残せていないかもしれませんが、前目のポジションならどこでもこなせる万能アタッカーとしてチームを支えています。

アルゼンチン代表

2011年5月にエリク・ラメラはパラグアイとの親善試合でアルゼンチン代表に初選出。その後2014年9月にドイツとの親善試合で代表初ゴールを記録し、2015年にはコパ・アメリカ2015の代表メンバーに選出されました。

しかし近年のアルゼンチン代表は前線にメッシ、ディ・マリア、アグエロなどワールドクラスのアタッカーが控えており、出場機会は25試合とあまり多くありません。

アルゼンチン代表での通算ゴール数も3得点とあまり結果を残せておらず、招集自体も2018年を最後に遠ざかっています。

エリク・ラメラのプレースタイル・特徴

観客を魅了するエリック・ラメラのプレースタイルとは。

ドリブルテクニック

ラメラの1番の特徴といえば、足下の上手さを活用したドリブルテクニックでしょう。

スピードとキレで相手を置き去りにするようなタイプではありませんが、足の裏を使って相手をかわすドリブルが非常に上手いです。

元々はサイドアタッカーでしたが、最近ではトップ下での起用が増えたことで足下の技術をより活用できるように。彼が出場した試合では密集したスペースでボールを受けてから得意のドリブルで相手をいなし、シュートに持ち込んだりフリーの味方にパスを出す場面を数多く見ることができます。

またドリブルの成功数も非常に多く、90分当たりのドリブル成功数3.0はプレミアリーグの全選手の中でも9位の数値。ボールを持ったらまずドリブルを選択し、次のプレーに繋げるのがエリク・ラメラの特徴と言えます。

両足精度が高い

エリク・ラメラは左利きのアタッカーですが、典型的な左利きアタッカーとは違い右足の精度も一定程度あるのが特徴。

中央や右サイドサーフだけでなく左サイドハーフまで任されるのがその証拠で、逆足を使用する頻度こそ少ないものの、右足でも精度の高いクロスやシュートを放つことができます。

2021シーズンから献身的なプレー

エリク・ラメラは非常に優れた足下の技術からテクニシャンと呼ばれることも少なくありませんが、同時に球離れが悪く、チームの攻撃リズムを崩してしまうことも少なくありませんでした。

しかし2021シーズンからは球離れが以前よりも改善。ボールを持った時の判断スピードが上がりボールをシンプルにさばく機会が増えたことで、より連動した攻撃に貢献することができるようになってきました。

またラメラは守備も献身的で、守勢に回った時にはしっかり下がってスペースを埋める動きをします。

トッテナムの豊富なタレント集団の中でもある程度の出場機会をもらえるようになったのは、こうしたチームへの献身的な姿勢が評価されているからでしょう。

ポジションや状況によって役割を変える器用さ

出場しているポジションや試合の流れによって自分のプレーを変えられる器用さも、エリク・ラメラの持ち味と言えるでしょう。

例えば前線まで上手くボールが回っているときには高い位置でボールを受けて捌いたり、逆にビルドアップに苦労しているときは下がった位置で受けてビルドアップを助けたり、サイドハーフで起用されたときはスペースを見つけてボールを呼び込む動きを多く行ったりなど、求められた役割を理解して実行する能力に長けています。

中央でもサイドハーフでも出場したポジションでしっかりと仕事をしてくれるので、監督の立場からも非常に使いやすい選手なのではないでしょうか。

エリク・ラメラの今後について

トッテナム移籍当初は大きな期待を受けて加入したものの、なかなか期待通りのパフォーマンスを出せないシーズンが続いたエリク・ラメラ。しかし2021シーズンは自身の課題である球離れに改善が見られ、周囲と連携がかみ合うシーンも少し増えてきました。毎年のように放出の噂が出ているエリク・ラメラですが、果たして彼はトッテナムで自身の立ち位置を掴むことができるのでしょうか。

トッテナムについて

1月28日現在、トッテナムは18試合を消化してリーグ6位につけており、1試合消化試合数が多い首位のマンチェスター・シティとは8ポイント差と、優勝を狙える位置に付けています。

加えてトッテナムの前線は豊富なタレントを抱えており、今シーズン爆発的な活躍を見せているソンフンミンとケインを筆頭に司令塔のエンドンベレ、1月に入ってようやく復調の兆しを見せつつあるベイルなどプレミアリーグでも屈指の並びです。

エリク・ラメラとしてはこの豪華な前線に割って入りたいところ。実際に2021シーズンのラメラは以前より良いパフォーマンスをみせており、課題だった球離れの良さが改善されより周囲の攻撃陣と絡めるようになってきました。

ただし、怪我の影響もありラメラのリーグ戦出場時間は210分にとどまっており、カップ戦を入れても合計で608分の出場。結果も2得点となかなかインパクトを残せていないのが現状です。

もちろん主力選手だけではシーズンを戦うことはできません。特に日程が過密なプレミアリーグにおいて、ターンオーバーで出場する選手のクオリティは重要になってくるもの。

ラメラとしてはこれまで以上に判断のスピードを上げて攻撃のバリエーションを増やすとともに、巧みなドリブルテクニックで流れを変えるプレーが求められています。

前線の選手が若干飽和状態にあるトッテナムにおいて、ラメラが時折放出候補に挙げられるのも事実。トッテナムで自分の価値を証明するためにも、また2008年以来のタイトル獲得のためにも、エリク・ラメラにはより一層の進化が必要でしょう。

アルゼンチン代表について

先程もお話しした通りアルゼンチン代表は前線の層が非常に厚く、エリク・ラメラは2018年以降代表への招集がありません。

またラメラも現在28歳と、選手として成長できる時間はあまり残されていないのも事実

しかし、ワールドクラスと言われたメッシやアグエロ、ディ・マリアなど前線の選手たちも高齢化し、アルゼンチン代表にも世代交代の波が迫っています。もしエリク・ラメラがトッテナムでより良いパフォーマンスを見せれば、世代交代の穴を埋める存在として再びアルゼンチン代表に必要とされる時が来るかもしれません。

2022年に行われるカタールW杯ではエリク・ラメラは30歳。おそらくラメラにとってはこの大会が最後のチャンスとなるため、まずはクラブチームでいい成績を残し、再び母国のユニフォームに袖を通したいところです。

移籍などの情報

エリク・ラメラは2018年にトッテナムと2022年までの契約延長を行いましたが、十分な出場機会を得ているとは言い難く、毎年放出の噂が立っています。

特に2019年から監督に就任したモウリーニョはボールを奪い返してからの素早いカウンターを重視しており、ボールを持ってから時間をかけるプレースタイルのエリク・ラメラはカップ戦などのターンオーバー要因にとどまっているのが現状。

やや過剰な前線を抱えているトッテナムとしても、また自分のスタイルを攻撃に活かしきれないラメラとしても、よりラメラのプレースタイルが活きるチームへの移籍は十分考えられる展開です。

ラメラが21歳にトッテナムにやってきて約7年とかなりの期間が経ちますが、新たなクラブを選択する時期が来るのでしょうか。

エリク・ラメラの今後に注目です。