プレミア王者・リヴァプールの心臓部の選手がいます。それは、ブラジル代表ダイソンことファビーニョ。
190センチ近い身長に手足の長くボール奪取に優れたプレイヤー。右サイドバックであった時代から今は中盤の心臓部アンカーの選手へと成長しました。どのチームも欲しがる逸材です。リバプールではダイソンと呼ばれ親しまれています。ブラジル代表で世界でも屈指のアンカーに成長したファビーニョを紹介いたします。
目次
ファビーニョのプロフィール
生年月日 | 1993年10月23日 |
国籍 | ブラジル |
出身 | カンビナース |
身長 | 188㎝ |
体重 | 78㎏ |
利き足 | 右 |
ポジション | MF |
背番号 | リヴァプール:6 ブラジル代表:16 |
タイトル | モナコ リーグ・アン:1回(2016-17) リヴァプール UEFAチャンピオンズリーグ:1回(2018-19) UEFAスーパーカップ:1回(2019) プレミアリーグ : 1回 (2019-20) |
ファビーニョの経歴
ファビーニョは1993年に、ブラジルのカンピナスで誕生しました。サンパウロの北部にある小さな街です。そんなファビーニョの幼少期から今に至るまで!
リオアヴェ
ファビーニョはかつてフルミネンセのユースに所属していました。2012-13にポルトガルのクラブチームリオ・アヴェへ移籍します。
ところがブラジル時代も含めてチームでの試合出場はなかったようです。あまり有名ではありませんでした。
余談になりますがこのリオ・アヴェ以前エデルソン(マンチェスター・シティ)、ファビーニョ(リヴァプール)、そしてヤン・オブラク(アトレティコ・マドリー)。
今のサッカー界で最高クラスの選手といえる若手3名が、8年前の2012-13シーズンには同じクラブに所属していていました。『リオ・アヴェ=ジョルジュ・メンデスの工場』とも言われている。
レアル・マドリード
加入後すぐにスペインのレアル・マドリードへ期限付き移籍します。2012-13のシーズンはBチームのカスティージャで30試合に出場しました。
ACモナコ
2013-14からフランスのモナコへ加入。当初レンタルでリオ・アヴェから移籍。
モナコで全くの無名選手から世界有数の選手になります。レアルマドリード時代と同じく2年間ローンでの加入でした。
初年度からリーグアンで26試合に出場し、存在感を発揮しはじめます。2014-15にリーグアンで36試合に出場シーズします。
リーグ終了後にモナコへの完全移籍が決定。右サイドバックが主戦場でしたが、その汎用性からMFにもコンバートされて大ブレイクします。
2016-17は同37試合に出場して9ゴールと躍動しました。そのシーズンはパリ・サン=ジェルマンを差し置きリーグアンで優勝を飾ります。
チャンピオンズリーグでもマンチェスター・シティやドルトムントを決勝トーナメントで破りベスト4まで進出の立役者の一人として大活躍。その当時のモナコのメンバーはキリアン・ムパッペ、ベルナウド・シルバといった素晴らしいメンバーでした。怪我しないところも非常に評価されています。
近年、移籍市場の主役を演じるモナコ
💸7,500万€🇨🇴ハメス・ロドリゲス
💸6,000万€🇫🇷マルシャル
💸5,750万€🇫🇷メンディ
💸5,000万€🇵🇹ベルナルド・シウヴァ
💸4,000万€🇫🇷バカヨコ
💸2,200万€🇦🇷カリージョ
💸1億4,500万€🇫🇷ムバッペ
💸4,500万€🇧🇷ファビーニョ pic.twitter.com/BpoorYafiG— サッカーキング (@SoccerKingJP) May 30, 2018
リヴァプール
そして2018年、約4500万ユーロの移籍金でリヴァプールに加入した。リヴァプールでは加入後交代出場が続き、プレミアリーグに苦戦していました。自身も戸惑いがあったと明かしている。クロップ監督にサッカースタイルはすこし順応に時間がかかります。
モナコ時代のファビーニョからすると、普段ならあり得ないミスをしていました。しかし、シーズン中ごろからは抜群の存在感を放ち、ピッチの中央に君臨。ミルナーからダイソンと名付けられた吸引機ならぬボール奪取能力はクロップのゲーゲンプレスに新しい風を送りました。
CLでも決勝トーナメント以降は全試合に先発を達成。リヴァプール念願の14年ぶりのビッグイヤー獲得に大きく貢献した。怪我の多いプレミアリーグにファビーニョは怪我の少ない選手でもあります。
それでも2019-20シーズンは多少怪我もあったが、不動の存在としてリーグ戦28試合に出場。リヴァプールとして最速優勝を果たしたチームで中心的な活躍を続けている。2020-21シーズンは現在ファンダイク長期離脱により、センターバックを任されている。そのセンターバックでもハイクオリティを示しています。
ブラジル代表
当初ブラジル代表でも、ドゥンガ前政権時代には常時ブラジル代表に呼ばれていました。2014年9月に初招集され、2015年6月のメキシコ戦(親善試合)でデビュー。2014年のコパ・アメリカ、さらに翌16年夏のコパにも名前を連ねていました。ちなみにブラジル代表のU-20から招集されています。
しかし、コパ・アメリカ創設100周年の記念大会をもってドゥンガ監督が解任される。その後任にチッチ監督が就いてからはなぜか代表からよなれなくなります。モナコ時代中盤にコンバートされ、世界的に名前が出てきてからは一度も招集されていないのです。たしかにカゼミーロ、フェルナンジーニョという素晴らしい二人がいる。しかし、ファビーニョは遜色ないどころか彼らを凌駕する部分もある。
現在はブラジル代表に名を連ねているが怪我等で今後の活躍が期待される。次のW杯での活躍が彼をワールドクラスにするかである。これほど使いやすい選手が重宝されないのはブラジル代表のレベルの高さなのかファビーニョの過小評価なのかどちらかであろう。
ファビーニョのプレースタイル・特徴
ファビーニョのプレースタイルは、どのようなものであろうか。
ダイソンに匹敵する対人守備の強さ
ファビーニョの強みは、188cmと恵まれた体格かつ長い手足にあります。長身ゆえに空中戦に強く、長い足で相手からボールを奪取します。もともと右サイドバックでプレーしていた選手だったため、運動量も豊富。どちらかというと攻撃参加が売りではありました。
アンカーのポジションは中盤で動けて、ディフェンス力がある選手です。リバプールのメンバーからはダイソンと言われています。イギリスの掃除機メーカーのことです。彼がボール奪取能力があまりに高いことから比喩されています。対人の守備の強い選手にありがちな熱い守備というよりクレバーな守備をします。タックル回数は多い選手にしては珍しいですね。イタリアのレジェンドマルディーニのタックルもそうでした。イエローカードは数枚もらっていますが、クリーンな守備をします。ちなみにレッドカードはもらっていません。今シーズンの守備のスタッツです。
空中戦勝利数61回(チーム1位)、クリア回数37回(1位)、タックル成功数34回(1位)とファビーニョはあらゆるデータで1位となっている。
結論、ファビーニョが命懸けで守備してくれてるおかげで何とか失点を減らしてる。
— 石上優 (@ISHIGAMI_KAIKEI) January 25, 2021
サイドバックで培った足元の技術の高さ
ファビーニョは、足元の技術がある選手です。ブラジル人ですからね。右サイドバックからの経験が活きていると思います。サイドバックは、足元の技術も問われますからね。
中盤で相手をするりと交わせる技術がありますし、加えて、長身という武器を使った高いキープ力があります。その技術を使い、深い位置からビルドアップをしたり、ゲームメイクを行う選手です。クロップのもとでさらに進化した部分ですね。
リバプールだと、チアゴやファンダイクといったスーパーなフィードができる選手がいます。その陰に隠れてしまいますが彼のキックも侮れません。モナコ時代はPKキッカーでもありました。
見てて思いましたがテクニックあってミドル打てて守備もできてポリバレントでファビーニョめっちゃいい選手ですね。
— オシモ (@osimo0130) December 17, 2018
どのポジションでもこなせるオールラウンダー
ファビーニョはどのポジションも器用にこなします。モナコ時代はサイドバックで前線にも顔出すプレイヤーでした。このモナコ時代にMFの中央でブレイクします。
リバプールのユルゲン・クロップ監督もファビーニョを高く評価。
「彼にはいくつものポジションを最高レベルでこなせる能力とメンタリティーがある。彼は“6番”、“8番”、“2番”のポジションでプレーできる。クールだ」と、そのポリバレントな能力を称えている。
しかも、驚いたのは今シーズンのファンダイクの長期離脱でセンターバックをこんなにもそつなくしかも不動のポジションのようにやれていることです。ハイレベルでできるポジション3つもあるのは彼くらいです。
フィルミーノ→CF、トップ下、左ウィング。ジニ・ワイナルダム→インサイドハーフ、アンカー、セントラルMF。ミルナー→インサイドハーフ、セントラルMF、右サイドバック、左サイドバック。ファビーニョ→セントラルMF、アンカー、右サイドバック、センターバック。ポリバレント万歳!!
— william_ynwa (@YaminYnwa) January 12, 2019
柔らかすぎるタッチと驚きのキック精度
ファビーニョはキックの精度も特筆したものを持っています。速攻でも遅攻でもボール回しが大事ですからチームを助けます。
アシストなどは決して多くはないと思いますが、繋ぎのショートパスやサイドチェンジの浮き球も気の利いたところをみせています。
リバプールの1点目。
ファビーニョの柔らかいパスを、マネが落ち着いて決める。ファビーニョの視野の広さとキックの質。マネのダイアナゴルランが活きたシーン。 pic.twitter.com/QlxpQdJWBL— LFC BELIEVER (@King47Ynwa) December 17, 2018
ファビーニョの今後について
ファビーニョにどのような活躍が期待できるのか。
リヴァプールに関して
リヴァプールに移籍してから当初はプレミアの速度についていけていませんでした。今ではあり得ないショートパスのミスもしていました。それでも半年はかからず本来のプレイをみせるようになりました。
今や不動の中盤の一人です。そして今シーズンファンダイクが長期離脱したところでセンターバックを主体としてハイクオリティのパフォーマンスを見せています。まだまだ年齢の若いファビーニョ、リヴァプールでキャリアピークを迎えようとしています。
ブラジル代表に関して
リバプールでチャンピオンズリーグ優勝やプレミア王者に大きく貢献し、攻守両面で献身的な存在感を放つ潰し屋へと進化を遂げた。セレソンでも昨年夏のコパ・アメリカ以降、出場機会が増加傾向にある。
レアル・マドリーの下部組織時代は右サイドバックとしてプレーしている。リバプールでも必要時にはセンターバック起用にそつなくこなした。188㎝の長身で長い手活かしたプレーは、ブラジル代表の中盤にも安定をもたらすでしょう。ファビーニョはブラジル代表においてはクラブチームほどの役割を果たせていない。
ブラジル代表のボランチは人材は豊富である。しかし、ファビーニョのパフォーマンスを続けていければファーストチョイスになるのは明らかであろう。カゼミーロと能力遜色はないといっても過言ではないだろう。
現在ファビーニョの移籍のうわさはありません。しかし、筆者が個人的に感じているのは人気銘柄なのは間違いないです。レアルマドリ―の下部組織にもいたのでレアルマドリ―が獲得に本腰を挙げてこなければなとおもいます。かなりワールドクラスな選手になりつつあるのでそこは筆者としては不安です。