ポルトガル新10番ベルナルド・シウバの経歴・プレースタイル解説

ネーションズリーグ制覇やプレミアリーグ制覇など輝かしい経歴を持ちながら、「プレミアで1番過小評価されている」ベルナルド・シウバ。
デブライネとともにマンチェスター・シティの中盤を支えるベルナルド・シウバのサッカー人生は、決して順風満帆ではありませんでした。
小さな身長と抜群のサッカーセンスから「リトルメッシ」と呼ばれた逸材の、「拷問のような」挫折などの経歴を紹介します。
また、ベルナルド・シウバはなぜ過小評価されているのか、実際はどんな特徴がある選手なのかを徹底解剖。
さらには、今後シウバがどうなっていくのかも考察してみました。

ベルナルド・シルバのプロフィール

名前 ベルナルド・シウバ
生年月日 1994年8月10日
国籍 ポルトガル
出身 リスボン
身長 173cm
体重 64kg
ポジション CAM・RW・CM
背番号 マンチェスター・シティー:20
ポルトガル代表:10
個人タイトル ベンフィカ
・プリメイラ・リーガ : 1回(2013-14)
・タッサ・デ・ポルトガル : 1回(2013-14)
・タッサ・ダ・リーガ :1回(2013-14)
モナコ
・リーグ・アン:1回(2016-17)
マンチェスター・シティ
・プレミアリーグ:2回(2017-18, 2018-19)
・EFLカップ:3回(2017-18, 2018-19, 2019-20)
・コミュニティ・シールド:2回(2018, 2019)
・FAカップ:1回(2018-19)
ナショナル
・UEFAネーションズリーグ:2018-19
個人
・リーグ・アン・ベストイレブン:2016-17
・PFA年間ベストイレブン:2018-19
・マンチェスター・シティ年間最優秀選手賞:2018-19
・UEFAネーションズリーグ大会最優秀選手:2018-19

ポルトガル代表では10番を背負っており、マンチェスター・シティでも年間最優秀選手に選ばれるなどして着実にチームの主軸として活躍しています。

ベルナルドシルバの経歴

ペップ・グアルディオラ監督のもと、マンチェスター・シティでスター街道を進むベルナルド・シウバ。しかし、シウバのサッカー人生は、決して順風満帆ではありませんでした。「拷問のよう」と語るユース時代には何があったのか。それでは、ベルナルド・シウバのサッカー人生を振り返ってみましょう。

ベンフィカユースでの挫折と恩師との出会い

ベルナルド・シウバは2002年に地元クラブであるベンフィカの下部組織に入団しました。7歳から国内屈指の強豪に所属し、順風満帆なサッカー人生を歩むと思われたシウバ。しかし、10代後半で大きな壁にぶつかります。身長が小さかったシウバは、出場機会をまったく得られなくなってしまいました。本人も「拷問のようだった」と語る試練の時期。シウバの背中を押したのは、元ポルトガル代表であり、当時ベンフィカユースコーチだったフェルナンド・シャラーナの存在でした。現役時代、165cmの身体で活躍したレジェンドの支えによってシウバはめきめきと成長し、2013年にBチームに昇格。39試合7得点の活躍が評価され、同年にトップチームデビューを飾りました。

モナコで才能が開花!CLベスト4に貢献

ベンフィカのトップチーム昇格後、出場機会を得られていなかったシウバは、フランスのモナコへとローン移籍をします。当時クラブの中心選手だったハメス・ロドリゲスが移籍したモナコは、低迷期に入るとまで言われていました。しかし、シウバは今までの鬱憤を晴らすような活躍を見せ、14-15シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)ベスト8に貢献。その活躍が評価され、2015年に完全移籍と4年間の契約を獲得しました。その後はムバッペらとともにチームの中心選手になり、16-17シーズンにはCLベスト4、リーグ・アン制覇に貢献しました。

モナコ時代のプレー集

マンチェスター・シティでも確固たる地位を築く

16-17シーズンのシウバの圧倒的な活躍は、数々のビッククラブの目に留まります。そんななかでシウバが選んだのは、プレミアリーグの強豪マンチェスター・シティでした。2017年に4300万ポンド(約61億4300万円)で完全移籍すると、すぐにペップ・グアルディオラ監督の緻密なパスサッカーに順応。移籍初年度でのプレミアリーグ制覇に貢献しました。WGやIHなど複数のポジションをプレーできるシウバによって、ペップが持つオプションが増えたことは間違いないでしょう。実際、2019年に2025年までの契約延長が発表されたことからも、クラブのシウバに対する評価が高いことが伺えます。2019年には51試合13ゴールの活躍で、PFAベストイレブンおよびクラブベストイレブンに選出されました。

マンチェスター・シティでのプレー集

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ポルトガル代表をネーションズリーグ制覇に導く

シウバは2013年にU-21代表に選出され、U-21欧州選手権2015ではベストイレブンを受賞。同年にA代表デビューも果たしました。18-19のネーションズリーグでは、正確なパスセンスで攻撃の火付け役となり、初制覇に貢献しました。個人でも大会最優秀選手を受賞するなど、代表での活躍も顕著です。今後もポルトガルの10番として、国民からの期待に応えていくでしょう。

ポルトガル代表でのプレー集

ベルナルドシルバのプレースタイル・特徴

ベルナルド・シウバはWGやIHなど複数のポジションでプレーできる選手です。パス、シュート、ドリブルどの能力も高く、ペップ・グアルディオラのサッカーとの相性の良さも伺えます。しかし、ユーティリティであるがゆえに、明確な特徴が分からないという方も多いのではないでしょうか。実際、イギリスの『The Sun』のアンケートでも、「プレミアリーグで最も過小評価されている選手」の1位に選ばれています。そこでここからは、ベルナルド・シウバの5つの特徴を分かりやすく紹介します。それでは1つずつ見ていきましょう!

”リトルメッシ”とも呼ばれた繊細なボールタッチ

ベルナルド・シウバの繊細なボールタッチは、マンチェスター・シティにとって大きな武器です。その理由は、ペップ・グアルディオラの緻密なパスサッカーにあります。ペップの計算された美しいサッカーでは、数センチのミスも許されません。そのため、シウバのようなボールタッチができる選手が求められるのです。技術の高い選手が揃うなかでも突出したボールタッチは、シティの攻撃に安定感をもたらします。また、レフティで身長が低いことから、ベンフィカユース時代には「リトルメッシ」と呼ばれていました。メッシのようなストライカータイプではないにも関わらず、世界一のサッカー選手と比べられるのは正確なボールタッチがあるからでしょう。中盤の狭いスペースでも難なく収めるボールタッチは、今後もチームの支えになるはずです。

一瞬の隙を突くチャンスメイク

ベルナルド・シウバは複数のポジションからチャンスメイクができる選手です。WGのときには正確なクロス、IHのときには糸を通すようなスルーパスなど、さまざまな形からチャンスを生み出します。また、チャンスを作るだけでなく、自ら決められるのもシウバの魅力です。どれだけチャンスメイクが上手くても、相手DFからするとシュートを打たない選手は怖くありません。パスを警戒していればいいからです。しかし、シウバは自ら決める力もあるので、DFが考えないといけないことが増えます。その結果、引きつけてパスを出したり、パスと出すフリをして自ら切り込んだりと、チャンスメイクができるようになるのです。19-20シーズンの34試合6ゴール7アシストという結果からも、チャンスメイク能力が高いことがわかりますね。豊富なアイディアを持ち、それを実行する技術もあるシウバは、相手にとって厄介な存在でしょう。

寸分の狂いもない長短のパスセンス

ペップ・グアルディオラのサッカーにおいては、長短両方のパスセンスが求められます。なぜなら、ボールを動かして相手の隙を作るには、パスミスが許されないから。上手く相手を動かして隙を作っても、パスがズレてしまうと、その隙を修正する時間を与えてしまいます。とくにマンチェスター・シティと戦う相手は、DFラインを低くして守りを固めることが多いです。そのため、空いたスペースは限りなく狭く、数センチのズレで相手にボールを奪われてしまいます。味方の足元に出すだけでなく、どちらの足のどのあたりに出すのかも計算してパスを出せことが必要です。長短のパスの使い分けができるシウバのような選手は、ペップのサッカーにとってこれ以上ない存在でしょう。デブライネの右足、シウバの左足から出されるパスが、リーグ屈指の得点力を持つマンチェスター・シティを支えています。

プレミア1位の豊富な運動量

ベルナルド・シウバは世界屈指の運動量でチームを支えています。実際、18―19シーズンでは、1試合で13.7km(シーズン最長)も走っていたことが話題になりました。では、シウバの走行距離はなぜそんなにも多くなるのでしょうか。その理由は、ディフェンス面にあります。シウバは攻撃的なポジションでプレーすることが多いので、オフェンス時は相手のペナルティエリアまで侵入することも多いです。攻撃だけでもかなりの運動量でしょう。しかし、シウバは自陣のペナルティエリアにも姿を表します。相手のDMFやSBの駆け上がりにも対応し、味方DFの隙をカバー。それだけでなく、攻守の切り替えも速く、相手がチャンスを作る前に中盤で奪い取ります。ゴールとアシストを量産しながら、ここまでディフェンスに献身的な選手は世界でもほんの一部でしょう。

「サブでも腐らない」仕事人

抜群なセンスをもつベルナルド・シウバでも、スタメンをキープできるわけではありません。なぜなら、マンチェスター・シティのようなビッククラブでは、どのポジションも競争が熾烈だから。実際、19-20シーズンからはフォーデンの台頭やマフレズの成長によって、サブにまわる機会も多くなりました。途中での出場は試合の流れに乗れず、結果を残せない選手が多いのが事実です。しかし、シウバは途中出場でもしっかりと仕事ができるのが魅力。点がほしいときには前線でパスを供給し、流れを安定させたいときには豊富な運動量で攻撃の芽を摘みます。スタメンでもサブでも変わらない活躍をするためには、相当な準備が必要でしょう。実際、ペップ・グアルディオラも「サブでも腐らない」シウバのメンタリティを称賛していました。勝ちが当たり前のビッククラブだからこそ、着実に仕事をこなすシウバのような選手の存在が重要になります。

ベルナルドシルバの今後について

ベルナルドシルバの今後の活躍に迫る。

マンチェスター・シティの不動のレギュラーへ

20代半ばのベルナルド・シウバは、今後もマンチェスター・シティの中心選手として活躍していくことが期待されています。実際、2019年に2025年までの契約延長を発表しているので、クラブからの信頼が厚いのも確かでしょう。マンチェスター・シティでは、フェラン・トーレスやフィル・フォーデンなどの若手が既に頭角を表しています。彼らが中心選手となり、シウバとの連携が生まれるのが非常に楽しみです。また、マンチェスター・シティは、ペップ・グアルディオラ監督とも2023年まで契約延長しています。ペップのサッカーを具現化できるシウバは今後も重宝されるでしょう。

新世代が躍動するポルトガル代表

近年のポルトガル代表は、クリスティアーノ・ロナウドの存在が大きく、良くも悪くもロナウドのチームでした。しかし、近年はポルトガルを背負う逸材が続々と育っています。

ジョアン・フェリックス
ディオゴ・ジョタ
ブルーノ・フェルナンデス
レナト・サンチェス
もちろん、ベルナルド・シウバもその中の1人。数年のうちに、ヨーロッパでも屈指のスター揃いのチームになるかもしれません。シウバほどの選手でも不動のレギュラーとはいかないのは、ポルトガルからすると嬉しい悩みでしょう。EURO予選ではシウバが背負っている10番も、今後どうなるのか楽しみなところです。また、ネーションズリーグ連覇にも期待がかかります。

バルセロナが狙っているとの噂

19-20シーズン頃から、ベルナルド・シウバのバルセロナ移籍の噂が報道されはじめました。フォーデンの台頭により出場機会が減ったベルナルド・シウバが、どうように動くのかが注目されています。一方で、シウバとマンチェスター・シティとの信頼関係は崩れておらず、ペップ・グアルディオラとの関係も良好だろうと言われています。そのため、あくまでも噂という認識でいるのが良いでしょう。もしも移籍することになれば、大きな金額が動くことになるはずです。

まとめ

ポルトガルの新10番ベルナルド・シウバを解説しました。ユース時代は低身長に悩んだものの、プロになってからは活躍し続けています。身長が弱みにならないほどのパスセンスや運動量で、世界的なスター選手になりました。年齢的にはこれからピークを迎えると思われるため、底知れぬセンスで多くのサッカーファンを楽しませてくれるでしょう。マンチェスター・シティでのCL制覇。ポルトガル代表でのワールドカップ制覇のカギは、ベルナルド・シウバが握っているかもしれません。