2015年、才能ある選手が続々と誕生するリーグアンで得点王と最優秀選手賞に輝いたアレクサンドル・ラカゼット。フランスでしっかりと実績を挙げ、プレミアリーグの強豪アーセナルへ移籍。難しいリーグながら3シーズンコンスタントに得点を重ね、チームメイトや監督からの信頼も厚い選手です。アルテタ監督が就任してさらに攻撃の起点、守備のスイッチャーの役割と求められるものが増え、さらなる成長が期待されています。
本記事ではアレクサンドル・ラカゼットの生い立ちや、プレースタイルなどを徹底的に探っていきます。
目次
アレクサンドル・ラカゼットのプロフィール
生年月日 | 1991年5月28日 |
国籍 | フランス |
出身 | フランス、リヨン |
身長 | 175㎝ |
体重 | 73㎏ |
利き足 | 右 |
ポジション | FW |
背番号 | 9 |
タイトル |
・オリンピック・リヨン
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アレクサンドル・ラカゼットの経歴
ラカゼットの幼少期から迫る。
幼少期のエピソード
現在フォワードとして得点を量産しているラカゼットは幼少期はストライカーとは真逆のキーパーとしてプレイをしていました。
しかし、母親に「キーパーは危険だからやめなさい。」と言われサッカーをやめるか、ポジションを変えるかの選択を迫られました。
その結果、ポジションをフォワードに変更したというエピソードがあります。
また、少年時代はかなり内気な性格だったと自身が語っています。
変革期のリヨンを救う活躍
2003年にオリンピック・リヨンの下部組織に入団。10代前半でリヨンの下部組織入りしました。
18歳の時にトップチーム入りする有望な選手で、若手の中でも特に期待されていました。
しかし当時のリヨンはリーグ7連覇が止まってしまった頃で、カリム・ベンゼマやジュニーニョ・ベルナンプカーノといった多くの有名選手が引き抜かれてしまいました。
まさに変革期の中、ラカゼットは2010年の5月、AJオセール戦でプロデビューを果たします。
デビューしたときはドリブルを得意とするサイドアタッカーでした。
2013-14シーズンからコンスタントに得点を取れる選手に成長し、翌年、2014-2015シーズンは27得点とゴールを量産し、リーグアン得点王、リーグアン最優秀選手賞に輝きます。
チームのエースとして背番号10を背負って活躍する選手に成長していくのです。
1シーズンだけの活躍にとどまらず、翌年も翌々年も20ゴール以上取るリーグアンを代表するストライカーになりました。
2016-17シーズンは30試合で28得点と得点王になったシーズンを上回る活躍。
得点王争いでエディソン・カバーニに次いで2位という素晴らしい成績を収めました。
そしてプレミアリーグの強豪クラブアーセナルへ
リーグアンで活躍をすると当然ビッグクラブから注目される存在になります。
ラカゼットも2017年にかつてから噂されていたアーセナルへ移籍することが発表されます。
移籍金は当時クラブ最高額の6500万ポンド(約66億円)背番号は9番。
移籍が決まったラカゼットに対してメスト・エジルは「彼とのプレーを間違いなく楽しめる。ゴールを量産してくれるだろう。」と語っていました。
その予想通り、開幕戦をスタメンで出場すると、開始2分にモハメド・エルネニーからのクロスを頭で決めてセンセーショナルなプレミアリーグデビューを飾りました。
最初のシーズンからプレミアリーグで14ゴール4アシストと期待通りの活躍を見せてくれました。
同じくフランス代表のオリヴィエ・ジルーとの激しいポジション争いに勝ちアーセナルにとって重要な選手に成長していきます。
翌年1月にはピエール=エメリク・オーバメヤンが加入。
オーバメヤンが加入することで再びポジション争いが激化し、2人の共存は難しいのではないかとささやかれていましたが、蓋を開けてみるとアーセナルはラカゼット、エジル、オーバメヤンのトリオでゴールを量産するように。
ラカゼットとオーバメヤンは非常に仲がよく、プレーの息もあっていてお互いを信頼している印象です。
アーセナルにやってきても一定して毎シーズン10ゴール以上得点を決めているのは、ストライカーとしてゴールへの嗅覚が凄まじいと言えますね。
なおプレミアリーグでは通算44得点をあげています。(2021年1月22日現在)
フランス代表としてのラカゼット
ではここからはフランス代表での活躍を見ていきましょう。
U-19の時に欧州選手権で優勝。FIFAU-20のW杯では4位。
若手の頃のラカゼットは、代表でかなり活躍していました。
A代表では、2013年にA代表初招集されウルグアイとの親善試合で代表デビュー。
2015年に行われたデンマークとの親善試合で代表初ゴールを決めます。2018のロシアW杯、フランス代表がW杯で優勝した時はサポートメンバーに選ばれるも、大会出場はありませんでした。
通算成績は国際Aマッチ16試合に出場し、3ゴール。
ラカゼットは代表でも活躍できるポテンシャルは十分にあるもののA代表ではなかなか安定して召集されていません。フランス代表にレベルの高い選手が多くいることや、監督との相性や戦術が影響しているようです。
アレクサンドル・ラカゼットのプレースタイル・特徴
ここからはラカゼットのプレースタイル、特徴を1つずつ見ていきましょう。
ゴール前でのスピード
特徴1、トップスピード、瞬発力。
周りの選手がスピードスター揃いなのであまり注目されていませんが、実はラカゼットもスピードがあります。
小回りが効いて、相手と相手の間で生きるスピードと瞬発力が特徴的。
トップスピードでも安定してボールコントロールできる技術も持ち合わせています。
相手マークを外してトップスピードでゴール前に入ってくる時に迫力がありますね。
今日のラカゼットのボールへの反応の速さ、尋常じゃない。
— dropoutbear (@dropoutbear1) December 26, 2020
グングン前に行く推進力
特徴2、推進力。
リヨン時代は1人でドリブルで相手陣内に切り込みシュートまでいくプレイが多い印象でした。
特にペナルティエリア内での推進力を持ち、常にゴールに向かっていきます。
アーセナルに来てからは、相手をブロックしながら強引にボールを運んでゴールを奪うプレイも増えてきました。
また、FWですが中盤まで降りてパスを受けたり、前線で張ってポストとなることでチーム自体が推進力を持って攻撃することができるようになります。攻撃のキーとなるプレイができます。
力強いプレーでゴールを奪い、チームのことを考えてプレーできるラカゼットはアーセナルに必要不可欠な存在ですね。
ラカゼットの強引に前を向く推進力は頼もしい
— ばんびまん (@madridista_7_22) December 26, 2018
キーパーが恐れるシュート力
特徴3、シュート力。
さらにシュート力が強く小さなフリからパワーのあるシュートを打てるのが特徴的です。
ラカゼットが今まで挙げたゴールを見ても、キーパーが取れないような強烈で速いボールでゴールネットを揺らす事ができます。
ラカゼットはシュート力あるし献身的で良いね。 https://t.co/CZtaXBaiTM
— 健(たけし) (@EyesTakeshi) August 16, 2020
類希なる決定力
特徴4、決定力。
ラカゼットは決定力も非常に高いです。状況に合わせて多彩なシュートを打つ事ができる選手です。
シュート精度も高く、体勢が崩れていたり、難しいコースでもしっかりと枠内に決めることができるので決定力が高いと言えます。
ラカゼットの決定力は半端ない
— ジョン (@Sunn_Ozil) July 12, 2020
ラカゼット!YES!決定力。
— 黒カープ (@kuro1078h) May 9, 2019
アレクサンドル・ラカゼットの今後について
最後にラカゼットの今後に言及する。
今後アーセナルで期待される活躍は?
献身的で万能、コンスタントに得点を取れるのでとても評価が高い選手です。
強いていうならリーグアンで活躍していた時のような得点数を期待したいところですね。
また監督がアルテタに変わってから攻撃でも前線からの守備でも貢献してくれることを求められています。
さらに29歳という年齢になり、チームに若い選手が多いことから若手のお手本となり勝利を導くプレーが期待されるようになってきています。
フランス代表でのプレーは?
アーセナルではジルーからポジションを奪ったものの、フランス代表ではジルーが代表に召集される事がしばしば。もちろんタイプが違うので共存もできると思いますが、ラカゼットはなかなか代表に定着することができていない状況です。
ラカゼットは代表でも活躍できるポテンシャルはありますが、単純に今の代表監督の目指すサッカーのピースには当てはまっていないということかもしれません。
またフランス代表はムバッペを始めどんどん能力のある選手が出てきます。
しかし、ラカゼットがこれからもコンスタントにクラブで結果を出していれば、代表に選出されることもあるでしょう。
ラカゼットの移籍の噂について
万能でコンスタントに得点を重ね、献身性があるFWはどこのチームも欲しい状況。
移籍シーズンになると常に移籍の噂が出る選手です。
特にバルセロナやアトレティコ・マドリーなどからは毎年のように関心が寄せられています。
アーセナルとの契約延長にはまだ至っておらず契約を延長するのか、移籍するのか今後の去就に注目ですね。