リヴァプールの守護神アリソン・ベッカーのプレースタイルを解説

恵まれた体格を生かし、リヴァプール不動のGKとして名を馳せるアリソン。因縁のライバル、エデルソン・モラエスとの関係とは。数々の好セーブを見せ、チームをCL優勝に導いた英雄。そんな彼の幼少期は周りと比べて体格面では恵まれていなかった。ただ幼少期から持ち合わせていた抜群のGKセンスは当時から頭ひとつ抜けていた。その類い稀ないGK技術を一つ一つ紐解き、彼の強さの秘密に迫る。またリヴァプールでの今後の彼の活躍も考察していく。

アリソンベッカーのプロフィール

 

生年月日 1992年10月2日
国籍 ドイツ、ブラジル
出身 ブラジル
身長 191㎝
体重 91㎏
利き足
ポジション GK
背番号 リヴァプール:1
ブラジル代表:1
タイトル (クラブ)
カンピオナート・ガウショ:(2013, 2014, 2015, 2016)
UEFAチャンピオンズリーグ:(2018/19)
FIFAクラブワールドカップ:(2019)
プレミアリーグ : (2019-20)(代表)
トゥーロン国際大会:(2013)
コパ・アメリカ:(2019)
(個人)
セリエA年間最優秀GK(2017-18)
プレミアリーグ・ゴールデングローブ (2018/19)
UEFAチャンピオンズリーグゴールデングローブ(2018/19)
コパ・アメリカ2019大会最優秀GK
ヤシン・トロフィー(2019)
UEFAクラブ・フットボール・アワード最優秀GK賞(2018/19)

アリソンの経歴

ブラジルではサッカーに対する関心が非常に高いため、アリソンの両親はベッカーが幼い頃から積極的にゲームに参加させようとしていた。アリソンがサッカーと出会い、熱中していた幼少期、彼の身長は周りと比べて高くはなかった。そのためアリソンは小さな体でGKとしてのサッカー人生をスタートせざるを得なかった。技術面では光るものがあったアリソンだが、体格面では苦労も多かった。その結果、先発のメンバーから外れたり時にはベンチにさえ座ることができなかった。しかし彼は一年で身長を17cmも伸ばし、最終的に体格的な試練を乗り越えた。

〜SCインテルナシオナル時代〜

アリソンが10歳の頃、SCインテルナシオナルのアカデミーの加入した。その後技術的にも体格的に更なる成長を遂げたアリソンは同チームのU23のレギュラーとしてプレーし、2013年2月17日のクルゼイロEC戦でデビューした。またその半年後、8月25日のゴイアスEC戦に出場、カンピナート・ブラジレイロ・セリエA初出場を果たした。

〜ASローマ時代〜

月日は流れ、2016年7月6日、アリソンはセリエA・ASローマへ5年契約で完全移籍。その翌月の2016年8月17日、UEFAチャンピオンズリーグ・プレーオフのFCポルト戦で公式戦初出場を果たした。さらに2017-2018シーズンでは、当時ローマの正GKだったヴォイチェフ・シュチェスニーの移籍で、アリソンはローマの正GKとなった。それと同時に背番号も1番に変更された。2017年8月20日のアタランタ戦でセリエAデビューし、通算37試合に出場、チャンピオンズリーグ全試合に出場し、CLベスト4に大きく貢献した。

〜リヴァプール時代〜

そして2018年7月19日イングランド・プレミアリーグのリヴァプールへアリソンは完全移籍を果たした。移籍金は当時の額でゴールキーパー歴代1位となる6250万ユーロ。日本円でおよそ78億9540万円と破格の数字だ。加入当時はカリウスがまだ在籍していたため背番号は13をつけていた。リヴァプール加入後も好調を見せたアリソンはリーグ最多21回の無失点(クリーンシート)を記録し、ゴールデングローブ賞を受賞した。

チャンピオンズリーグ優勝を賭けたトッテナム戦では幾度となくトッテナム攻撃陣の鋭いシュートを防ぎ、リヴァプールCL優勝の立役者となった。

翌シーズンの2019-2020では背番号を13から1に変更。同シーズン中数々のスーパーセーブを見せ、リヴァプールのリーグ優勝に大きく貢献した選手の1人だ。

~ブラジル代表歴〜

アリソンは2015年10月13日の2018W杯・南米予選のベネズエラ戦で先発出場、これが彼にとっての代表戦初出場だった。2018年、ロシアで開催されたFIFAワールドカップのブラジル代表にアリソンを招集すると当時のチッチ監督が明言した。その試合全てに先発フル出場するなどアリソンへの信頼度の高さが見て取れる。

またコパ・アメリカ2019ではパラグアイ戦でPKを止め、スコアを0-0に抑えブラジルのベスト4入りに大きく貢献した。その後準決勝アルゼンチン戦では、あのリオネル・メッシのPKを止めるなど、大会中その存在感を遺憾無く発揮していた。彼の快進撃は止まらず、決勝進出までの5試合を無失点で抑えた。さらに大会中彼が失点を許したのはわずか1点のみで全試合終了後アリソンは大会最優秀GKに選出された。

〜永遠のライバル エデルソン・モラエス〜

アリソンの永遠のライバルと取り沙汰されるのは同じくブラジル代表のエデルソン・モラエスであろう。どちらも非常に優秀なGKで、年齢、身長、スタッツともによく似ている。さらにGKの能力の比較はとりわけ難しいためどちらが優秀か正確に判断しにくい。

アリソンベッカーのプレースタイル・特徴

ここではアリソンのプレースタイルや特徴について解説していく。

驚くべきセービング能力の高さ

まずは紹介すべきはその特出したセービング能力の高さだろう。2020-2021における試合出場数は16。失点数は13となかなかの数値だ。SoTA(被枠内シュート数)は45。セーブ率は77%と高い。このようにスタッツだけ見ればかなり優秀なキーパーだと言える。

圧巻の守備範囲の広さ

次は守備範囲の広さについてだ。相手に攻め込まれ、不利な状況に陥った時でも冷静にクリアし、一度状況を振り出しに戻してくれる。前に出ることを恐れない勇気あるプレーをする場面が多い印象だ。

また、守護神アリソンは時にはこんな大胆なプレーまで見せてくれる。

https://www.football-zone.net/archives/302006

不運にもボールは転がらず、サウサンプトンのDFヴァレリーにシュートを許してしまう。危機的状況だったがリヴァプールのMFがギリギリのところでクリア。アリソンの判断ミスではあったものの、その勇敢さはやはり称えるべきではないだろうか。

自信に満ち溢れたゴール前での繊細なタッチ

アリソンはでは足元の技術力も高い。その繊細なタッチはエデルソンに引けを取らない。まれに自陣ゴール前で相手をかわすことがあるが、それも彼の足元に自信があるからこそなせる技なのだろう。

アリソンベッカーの今後

〜リヴァプールでの今後の活躍〜

アリソンは今後もリヴァプール不動の正GKとして我々に幾度となく好セーブを見せてくれるだろう。ただ心配なのは怪我の影響である。2020年10月時点でアリソンは怪我での離脱を余儀なくされている。復帰までの見通しは立っておらず、最悪1ヶ月以上もピッチを離れるとも噂されている。リヴァプールの守護神であるアリソンが戦線離脱することはチームにとって大きな痛手であり、またそれが長ければ長いほどリヴァプールは不利な状況に立たされることになる。この危機的状況を乗り越え、CL優勝に向けて再起できるかどうかが今リヴァプールに試されている。

〜ブラジル代表での活躍〜

またアリソンに期待されているのはCL優勝だけではない。ブラジルを代表する偉大な守護神として、W杯優勝のトロフィーと栄光を母国ブラジルへともたらさなければならない。果たして次回開催時には圧巻のセービングでチームを優勝に導けるのか!

〜移籍の噂 ステップアップ〜

現在アリソンがリヴァプールから離れるといった噂は耳にしない。ただ何かと離脱の多い彼の後継者として、リヴァプールはマルセロ・ピタルガを獲得した。ブラジル出身のピタルガはまだ17歳と若く、未来あるGKである。守護神の離脱によって先行きの見えない不安に駆られているリヴァプールに差した一筋の光。アリソンの今後の怪我の状況に着目しつつ、将来性のあるピタルガの成長にも陰ながら期待したい。