【プレースタイル徹底解説】若きアンカー・ロドリゴ

現マンチェスター・シティ監督、ペップ・グアルディオラは複雑であるサッカーを、まるで難解な数式を解くかのように追求します。超攻撃的・ポジショナルプレー・5レーン・ハーフスペース、などと様々な概念と言葉をサッカー界に提唱し、広めてきました。サッカーの戦略の最先端を作る人物と言っても過言ではないペップが最も大事にしているポジションはアンカーです。

現役時代に彼自身が務めたポジションであるがゆえに、その重要性を身にしみて感じているのでしょう。

監督キャリアを振り返っても、バルセロナで指揮を取った際はセルヒオ・ブスケツをアンカーに起用し、バイエルン・ミュンヘン時代は、SBフィリップ・ラームをアンカーにコンバートしたり、シャビ・アロンソを起用したりとその起用から「心臓だぞ」という彼の哲学を感じます。

このように最重要なアンカーを現在のマンチェスター・シティで務めるのがロドリゴ・エルナンデスです。愛称ロドリとして親しまれる23歳のスペイン人は18/19シーズンまでアンカーを務めたフェルナンジーニョの後継者としてアトレティコ・マドリードから移籍してきました。

スタッツを分析しながら、ロドリのプレースタイル、ペップが抱く期待に迫っていきたいと思います。

ロドリゴ・エルナンデスのプロフィール


名前 ロドリゴ・エルナンデス
生年月日 1996年6月22日(23歳)
国籍 スペイン
身長 191 cm
体重 82 kg
背番号 16
ポジション CM/CDM
前所属チーム アトレティコ・マドリード
推定市場価値 約73億円
アトレティコ・ユース→ ビジャレアルユースで育ったロドリはビジャ・レアルBチームにてラ・リーガデビューを果たします。
その勢いのままにビジャ・レアルトップチームに上がったロドリですが、2018年にアトレティコ・マドリードへと復帰を果たします。サウール、コケ、パーティー、カラスコらと共に強固な中盤を作り未来のアトレティコを牽引していく存在になるかと思った矢先、1年足らずでマンチェスター・シティへと移籍をしました。移籍金は7000万ユーロ(約85億円)と莫大な金額だったことは当時センセーショナルなニュースとして取り上げられました。
偶然かは分かりませんが、191cmと長身であること、真面目で紳士そうな容姿、というのはペップサッカーにおいてアンカーを務める選手の共通点になっているのかもしれません。また、ロドリは現在スペインのジャウメ1世大学で経営学を学んでおり、クレバーな一面を感じます。

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ロドリゴ・エルナンデス-全体スタッツ

プレミアリーグ 19/20 ロドリゴ・エルナンデス
出場 26
ゴール 3
アシスト 1
イエローカード 7
レッドカード 0
ペップサッカーは1シーズンで理解するのは難しいと様々な選手が述べていますが、彼はその難解さをもろともせず26試合出場と見事に適応しています。マンチェスター・シティは19/20シーズン、センターバックの怪我が相次ぎ、前任のフェルナンジーニョがセンターバック起用され、出場を余儀なくされた一面もありますがそれを差し引いたとしても既にペップの信頼は厚い様子。ラ・リーガに比べてインテンシティが高いプレミアリーグでのプレースピードに適応することも求められましたが、イエローカードの多さを見ると少し苦戦している模様です。

ロドリゴ・エルナンデス-攻撃スタッツ

プレミアリーグ 19/20 ロドリゴ・エルナンデス
シュート/1試合 0.7
枠内シュート/1試合 0.3
ポストヒット 0
ビックチャンスでのゴール 0
ビックチャンスでのミス 0
ビックチャンス創出 2
パス/1試合 76.7
パス成功率 92.1%
タッチ/1試合 86.8
クロス/1試合 0.3
ボールロスト/1試合 0.7
キーパス/1試合 1.1
ドリブル/1試合 0.9
被ファウル/1試合 0.9
ペップサッカーにおけるアンカーは全てのハブのような存在となります。アシストやゴールの1つ・2つ前のプレーでは絶対に関わることが求められますし、当たり前のようにセンターバックやサイドバックがボール保持している際には必ず受けられる場所にポジションニングをしなければなりません。
このポジショニングこそ、ペップサッカーにおいての肝となるわけですが、クレバーなロドリには朝飯前だったよう。
パス数はプレミアリーグ2位のスタッツであり、パス成功率は92.1%とほぼミスなし。スペイン代表では、セルヒオ・ブスケツの後継者との呼び声も高いロドリですが、ブスケツの19/20シーズンのパス成功率は89.4%と先輩も大きく上回る精度を魅せています。
ショートパスだけではなく、サイドへの長いパス、リスクを取った縦パスなど使い分けも豊富です。ペップとしてはブスケツもロドリも自身の生き写しのような存在なのでしょう。
 

ロドリゴ・エルナンデス-守備スタッツ

プレミアリーグ 19/20 ロドリゴ・エルナンデス
失点 0.96
シュートブロック/1試合 0.19
インターセプト/1試合 0.81
タックル/1試合 1.50
クリア数/1試合 0.92
空中戦勝利 1.88
失点に直結したミス/1試合 0.00
ファウル/1試合 1.31

守備はまだまだ改善ができそうな成績ですが、安定感は感じます。ミスは少なく、タックル数は1.5、高さがあるため空中戦でも勝てる選手です。

『Telegraph』でのインタビューでは、

「(タックルをして)地面に倒れれば、もう一度行く前にかなりの時間を浪費してしまう。だから、ボールを奪う別のやり方があるんだ」

確かにプレーを見ると予測と持ち前のリーチでボールハントする場面が多いですが、ファウルが多いのも事実。プレミアリーグ移籍後にその持論に変化はあったのかどうかは聞いてみたいところです。

ブスケッツ、グアルディオラを超えるか?

スタッツを通してロドリのプレースタイルに迫ってきました。長短のパスを出し分ける正確無比な技術を持ち合わせていながら、ポジショニングもチームに既に適合したロドリ。今シーズンは強烈なミドルシュートも決めており、射程圏内なら自分で狙うこともできてしまう選手です。

ロドリは23歳と伸びしろしかない選手ですが、自らでも似たような選手のプレーを見るのが好きと発言しています。

スペインの先輩であるブスケツ、グラウディオラを超えるアンカーとなるでしょうか。ペップのサッカーが進化続ける限り、彼も進化を続けるでしょうし、勤勉な彼が学習し、成長し続けることでしょう。

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