サガン鳥栖の樋口雄太の経歴・プレースタイルを解説

幼少期から鳥栖のアカデミーに在籍していた樋口だったが、高校卒業時に鳥栖のトップチームに昇格することはできなかった。九州のサッカー強豪校である鹿屋体育大学に進学すると、樋口はその実力が高く評価され、在学中サガン鳥栖からの内定を勝ち取った。大学ラストの試合では怪我の影響で思うようなプレーはできなかったものの、J1への期待を胸に大学を卒業した。そして2019年、小さい頃から憧れだったサガン鳥栖へ移籍。現在はチームの主力として活躍している。そんな彼の魅力を徹底解説。これを見ればMF樋口雄太の全てがわかる。

樋口雄太のプロフィール

生年月日 1996年10月30日
国籍 日本
出身 佐賀県三養基郡上峰町
身長 168㎝
体重 66㎏
利き足
ポジション MF
背番号 サガン鳥栖:10

樋口雄太の経歴

2019年から幼少期より憧れだったサガン鳥栖に加入することを発表した樋口雄太。現在は右サイドを中心に起用されており、サガン鳥栖の主力メンバーへと成長している。そんな樋口の経歴をサガン鳥栖アカデミー時代からご紹介。

-プロ入り前-

1996年10月、樋口は佐賀県の三養基郡上峰町で生まれた。上峰町は人口が10,000人にも満たない小さな町だ。幼い頃から樋口はサッカーに熱中しており、彼が小学校に入学した時、三根FCというチームに所属し、本格的にサッカーにのめり込んでいった。樋口が小学校高学年にあがると、あのJ1名門クラブであるサガン鳥栖のアカデミーに所属し、その技術をさらに磨いた。

樋口はその後、鳥栖市立鳥栖西中学校へと進学。進学後もサガン鳥栖のアカデミーに在籍し続けた。そして卒業後は地元佐賀を離れ、福岡常葉高等学校に進学。高校時代も変わらずサガン鳥栖のアカデミーに所属しており、U-17の日本代表に選出されるほどの実力を兼ね備えた選手へと成長。しかしサガン鳥栖のトップチームに昇格することはできなかった。

トップ昇格に惜しくも届かなかった樋口は高校卒業後、鹿屋体育大学へ進学した。鹿屋体育大学といえば、1984年にサッカー部創設後、わずか3年でいきなりインカレに出場するなど、非常に勢いのあるチームだ。九州を代表するサッカー強豪校として、その圧倒的な実力が高く評価されている。

入学当初から樋口は存在感を発揮し続けていた。1年の頃から積極的にボールに絡み、数多くの試合に出場。当時は繊細なドリブルを武器に、攻撃陣の一人としてプレーしていたが、2年時には中盤の選手へとコンバートした。巧みなドリブルの他に、豊富な運動量と高いキックの精度を持ち合わせていた樋口は、順調に中盤のポジションに適応していった。

そして4年次に迎えた大学生活最後のマッチ。右内側靭帯の負傷の大怪我を負っていた樋口にとっておよそ2ヶ月ぶりの公式戦だ。試合中高いボールキープ力で周囲を圧倒、そのほかにもパスの精度、ゲームメイクなど随所で非常に高いパフォーマンスを見せた。しかし怪我明けということもあり、思うようなプレーができない場面も多々あった。プレースキックのキッカーだった樋口は、それさえも務めきることができなかった。前半に先制点を許すと、その直後FW根元のパスに反応するも、シュートは惜しくも枠外へ。試合は0-2で敗れ、大学でのラストゲームは悔しさと今後の課題を樋口に突きつけた。試合後樋口は総理大臣杯でベスト8の実力を持つ鹿屋体育大学を、準決勝や決勝の経験を積ませられなかったと悔やんだ。

-念願のサガン鳥栖へ-

2019年、大学卒業と同時にサガン鳥栖への移籍を発表。4年前に鳥栖U-18からトップチームデビューを果たせなかった後悔を払拭し、見事J1サガン鳥栖でプレーすることが決まった。樋口は卒業間近「悔しさから4年後、絶対プロになってやるという気持ちでやってきた」と語っていた。MFとしてゲームを展開する力や高いキック精度を、加えて守備面でも大きく成長したと自負していた。幼い頃からお世話になってきたクラブで、今度はプロになった樋口が恩返しする番だ。

サガン鳥栖加入後、3月2日に行われたJ1第2節ヴィッセル神戸戦で樋口は公式戦初出場を果たした。また2020年12月16日のJ1第33節セレッソ大阪戦で、プロ初ゴールを記録。2019年からこれまで樋口は公式戦29試合に出場、1得点あげている。2021年には背番号を10番に変更。これは2016年にチームを去った金民友以来空いていた番号だった。エースナンバーである10番に番号を変更の背景には、樋口が鳥栖の主力メンバーへと成長していくように、という期待が込められているに違いない。

樋口雄太のプレースタイル・特徴

今年から背番号を10に変更し、樋口は今鳥栖で最も勢いのある選手だと言える。そんな樋口のプレースタイルを2つのポイントから解説していく。

-豊富な運動量でチームに貢献-

樋口の持ち味の一つに豊富な運動量が挙げられる。鹿屋体育大学時代から彼の運動量は高く評価されていたが、プロになっても相変わらず高い評価を受けている。その仕事量が認められ、サガン鳥栖に移籍して早2年になるが、主力メンバーとして定着し始めている。2021年2月27日のJ1湘南ベルマーレ戦では、鳥栖のDF飯野七聖に次ぐチーム第2位(11,657km)の走りを見せた。これはチーム全体の走行距離のおよそ1/10を占める驚異的な数字だ。加えて樋口は10kmくらいであれば平気で毎試合走り抜いてくる。スタッツからも分かる通り、樋口の運動量はチームトップクラスだと言える。

-高いキックの精度で数々のゴールを演出-

樋口が得意としているのは仕事量だけでない。彼のキックの精度は鹿屋体育大学に在籍している時から有名だった。サガン鳥栖に移籍後、アシスト総数は1だが、Jリーグ公式が独自に生み出した1試合の平均チャンスクリエイト数という項目では1.8を記録。数字だけ見ればいまひとつピンとこないが、この数値はJリーグ全選手中で18位と高い数値であることがわかる。

持ち前のキックの精度を活かしチャンスメイクを得意とする樋口だが、1試合の平均ロングパス数は6.0本、その成功率は65.0%と少し物足りない。PA前での絶妙なラストパスには定評があるが、中盤からFWへ大きく展開したロングパスはあまり見かけない。クロスの本数も1試合0.9とクロスボールを供給しない試合もあるようだ。エースナンバーを背負った樋口は、中盤からより積極的に前へ展開できるような選手へ成長できることを願っている。

樋口雄太の今後について

豊富な運動量とキックの精度を武器に、移籍後わずか2年で主力としてチームを引っ張る樋口は、今後一体どんなキャリアを歩むのか。

-サガン鳥栖での今後-

樋口は直近の試合でほとんど先発出場を果たしている。おまけに90分間しっかり走り抜くだけのスタミナを持っている彼は、チームにとって必要不可欠な存在だ。サガン鳥栖でのポジションをほぼ確立したと言ってもいい。今後もサガン鳥栖の中核を担う選手として、チームに貢献し続けることは間違いない。

しかしPA付近でのショートパスからは数多くのチャンスシーンを演出しているものの、ロングボールやクロスからのチャンスメイクはスタッツで示した様に少し物足りない。今後彼に期待されるのはやはりこの部分だろう。低い位置からボールを受け、縦へ積極的にロングパスを供給できれば、チームの攻撃の幅がさらに広がる。

-移籍情報、契約更新-

樋口は2020年12月28日にサガン鳥栖との2021シーズンの契約更新を発表している。彼が幼少から憧れていたクラブだけあり、2021シーズンも変わらず鳥栖でプレーできることは彼にとって非常に嬉しいことだろう。樋口には2021シーズンでロングボールやクロスはもちろんのこと、よりゴールに貪欲な選手になってほしい。これまで公式戦29試合で1得点を記録している樋口だが、やはりゴールシーンは非常に少ない。彼のポテンシャルがあれば、十分可能な課題だ。今季は今まで以上に鳥栖を牽引する樋口のプレーから目が離せない。