サガン鳥栖スピードスター小屋松知哉の経歴・プレースタイルを解説

第91回全国高等学校サッカー選手権大会で京都橘高校の名を全国に広めた立役者、小屋松知哉。当時3年生だった仙頭啓矢と組んだコンビで大会中、圧倒的な輝きを放っていた選手だ。名古屋グランパスへ移籍するも、プロ初試合でまさかの大怪我。しかしその1年後のは長期のリハビリを経て復帰を果たした。彼の持つスピードとドリブル技術は圧巻で、サイドを突破し味方のゴールを幾度となく演出。鳥栖に移籍後は得点には恵まれていないものの、成長しその殻を破る日は近い。そんなスピードスター小屋松知哉の魅力を徹底解説。

小屋松知哉のプロフィール

生年月日 1995年4月24日
国籍 日本
出身 京都府久世郡久御山町
身長 171㎝
体重 62㎏
利き足
ポジション MF
背番号 サガン鳥栖:22
タイトル 全国高校サッカー選手権大会優秀選手 (2012、2013)
全国高校サッカー選手権大会得点王 (2012)
SNSアカウント ・Instagram:https://www.instagram.com/koyamatsu_tomoya.official/?hl=ja
・Twitter:https://twitter.com/30Xtk?s=20

小屋松知哉の経歴

一昨年、地元のJ2クラブ京都サンガF.C.からサガン鳥栖に移籍した小屋松知哉は、高校時代からその頭角を表していた。これまで小屋松は一体どんなキャリアを歩んできたのか、その経歴をプロ入り前からご紹介。

-プロ入り前-

小屋松は1995年、京都府に生まれた。彼が7歳のときサッカーと出会い、現在はプロサッカー選手としてサガン鳥栖に所属している。プロ入り前は京都のサッカー強豪校である京都橘高校でその技術を磨いた。第91回全国高等学校サッカー選手権大会では、チームの準優勝に貢献。当時2年生ながらチームのエースストライカーとして君臨していた。また小屋松は彼の1年先輩に当たる3年の仙頭啓矢と最強のコンビを組んでおり、学校として2度目の出場ながらも、抜群の存在感を残し、京都橘の名を全国に轟かせた。

その翌年の同大会にも小屋松は出場。当時名古屋グランパスに内定していた小屋松は、チームのベスト4 に大きく貢献した。

2014年の春からは早稲田大学の人間科学部eスクールの入学を発表した。この学部には特別選抜入学試験というものがあり、小屋松の他にJリーグから宮市剛(湘南ベルマーレ)や小泉勇人(鹿島アントラーズ)といった選手が合格している。J1という大舞台で活躍しながらも勉学にも勤しむ、まさしく文武両道と呼ぶに相応しい選手だ。

-悔しい結果となった名古屋グランパス時代-

早稲田大学の通信過程に在籍しながら、小屋松は2014年から3年間名古屋グランパスでプレー。2014年4月6日に行われたJ1第6節サンフレッチェ広島戦でJリーグ初出場を果たしたが、試合中に負傷。幸先の悪いスタートとなってしまった。左膝前十字靭帯断裂と診断された小屋松は、試合後からリハビリに集中するもシーズン中に復帰することはできなかった。

名古屋グランパス在籍時は2014-2016年通算で29試合に出場、2015年3月7日の松本山雅戦でのプロ初得点を除き、得点はない。序盤に負った怪我の影響もあり、思うようなキャリアスタートには至らなかった。

-京都サンガF.C.で名コンビ復活も、J1昇格ならず-

2017年から小屋松が京都サンガF.C.に完全移籍することが発表された。高校時代圧倒的な攻撃力を兼ね備えていたコンビの相方である仙頭啓矢とは、高校以来再び同じチームメイトとなった。

2017-2019年では通算116試合に出場し、22得点と好成績を残している。。名古屋グランパス時代では悔やまれる結果残し、さらには名古屋グランパスゴール裏に挨拶にいくも、激しいブーイングを受けた小屋松だったが、その歴史を次々と塗り替えるかのように、新天地の京都サンガF.C.では大活躍を見せた。

しかし2017-2018シーズンに限って言えば、個人としては上出来だったものの、チームはJ1昇格はおろか、一時はJ2最下位にまで転落、最終的にチーム史上最低の19位でフィニッシュと、チームとしての課題が多く残るシーズンだった。

-サガン鳥栖へ移籍、再びJ1の舞台へ-

2019年12月19日、小屋松のサガン鳥栖への完全移籍が発表された。小屋松は移籍後、ほとんどの試合で先発出場し、サガン鳥栖の主力メンバーとして活躍中だ。またこれまで全33試合に出場し、2得点をマークしている。

特にこの2020-2021シーズンで注目したいのが、2020年9月5日に行われたリーグ第14節横浜FC戦での小屋松の劇的ゴールだ。この日先発出場を果たした小屋松は後半41分、左サイドのCKのクリアをヘディングでコースを変え、相手をかわすと一気に加速。そしてそのまま約70mの距離を独走し、ゴールを奪った。小屋松の圧倒的なスピードに相手守備陣はなす術がなく、最後は相手GKの動きを見て冷静に流し込んだ。この得点は小屋松の鳥栖移籍後はゴールとなり、大いにスタジアムを賑わせた。

またサガン鳥栖は2021年1月に京都サンガF.C.に期限付き移籍をしていた仙頭啓矢の加入を発表した。かつて高校時代、小屋松と共に攻撃の要として京都橘高校を支えた名コンビが、今度は鳥栖で復活を果たしたのだ。新たなアタッカーの加入で勢いに乗る鳥栖は現在J1で9位に位置している。このまま上位に食い込めるか注目だ。

-2014-2015シーズンは日本代表でもプレー-

小屋松は2014-2015シーズンでJリーグ・U-22選抜に登録されている。2015年7月1日にはU-22コスタリカと対戦。その試合でU-22日本代表として初出場した。小屋松は公式戦にはわずか通算3試合しか出場していないにもかかわらず、2得点をあげている。ここでも持ち前の攻撃力を発揮し、少ない試合数ながら、着実に成果を残した。

2014-2015シーズンで、一度は怪我で長期の離脱を余儀なくされた小屋松。そこから懸命なリハビリで、少しずつコンディションを整えてきた。悔しいスタートを切ったこのシーズン中に復帰し、若手ながらしっかりと結果を残した小屋松は、今後大いに伸びる選手に違いない。

小屋松知哉のプレースタイル・特徴

小屋松は高校時代、京都橘高校の名を全国に広めたスピードスターだ。そんな彼の強さの秘密を3つのポイントから紐解いていく。

-小屋松が持つ爆発的なスピード-

小屋松の代表的な特徴と言えばその爆発的なスピードだろう。高校時代からその秀でたスピードは健在で、その足の速さを武器に裏への抜け出しを果敢に行い、相手DFを度々翻弄してきた。名古屋グランパス時代は怪我の影響もあり、大量に得点することは叶わなかったが、そのポテンシャルの高さで京都サンガF.C.に移籍後は22ゴールの活躍を見せている。

小屋松のスピードは守備の面でもチームに大きく貢献している。前線からチェイシングを頻繁に行うことで、相手に時間を与えず、結果的にチーム全体がボールを奪いやすくなる。また前線からのプレスだけではなく、タックルにも定評があり、1試合の平均タックル数は1.1回、その成功率は驚異の87.5%を記録している。攻撃面だけでなくしっかりと守備も行う、まさに万能MFだ。

-圧倒的なドリブル技術で相手DFを抜き去る-

小屋松の優れた部分はスピードだけではない。そのドリブル技術も凄まじく、そのスピードと合わさったドリブルに、相手DFはなかなか追いつくことができない。主に左サイドで攻撃を仕掛ける小屋松のドリブルは、フェイントを駆使するというよりは、繊細なタッチで相手と駆け引きし、隙ができたタイミングで一気に加速、そのまま相手DFを置き去りにする。やっとの思いで小屋松に追いつくことができても、彼は更にスピードを上げ、ますます誰にも止められなくなる。

-サイドからの華麗なセンタリングでゴールをアシスト-

小屋松はスピードとドリブルが得意な選手だ。左サイドで攻撃を任されている彼はサイドから縦に突破する機会が非常に多い。そうすると必然的にセンタリングを上げる機会が増えるが、小屋松はそのセンタリングの精度も高い。縦に突破するだけでは何にも得点には結びつかないが、小屋松は突破後、中途半端な攻撃になることが少なく、最終的には味方選手をアシストしたり、中へと切り込んでシュートを狙うなど、きちんとプレーを終えている。

小屋松知哉の今後について

爆発的なスピードで次々と相手DFを抜き去る小屋松知哉。現在サガン鳥栖で活躍中の彼の今後について考察してみた。

-サガン鳥栖での今後の活躍-

2019年12月にサガン鳥栖に移籍して以来、これまで33試合に出場しているが、得点は2点と物足りない。小屋松のポテンシャルがあれば、より得点できる機会が今後増えると予想したいが、実際の彼のプレーを見ると、サイド突破後はほとんどセンタリングをあげ、味方のアシストに徹底しているように思える。しかしこれは京都サンガF.C.とサガン鳥栖のチームスタイルの違いによるものだと考えられる。

京都ではウィングとして相手と1vs1する機会が今よりも多かった。スピード勝負に持ち込めば、基本的には抜け出せていたが、鳥栖に移りポゼッション重視のサッカーに身を置いた小屋松は、相手守備陣にブロックフォーメーションを形成される機会が圧倒的に増えた。そのためスペースが狭まり、小屋松の持ち味であるスピードを活かしきれなくなってしまった。それが得点に結びつきづらくなった原因だ。

そんな中、今年1月にサガン鳥栖に移籍した仙頭啓矢と名コンビ再復活で、より熱い試合展開になることが予想されている。それにより小屋松への期待もより一層高まるだろう。第91回全国高等学校サッカー選手権大会での共闘が蘇り、我々にどんなプレーを見せてくれるのか、是非とも注目したい。

-移籍情報、契約更新について-

2020年12月27日、サガン鳥栖は小屋松知哉選手との契約更新を発表している。しばらくはサガン鳥栖で小屋松の活躍を見届けることができそうだ。京都から鳥栖への移籍で思うように突破できなくなった小屋松の課題は、やはり相手ブロックを打つ崩すことだろう。彼のスピードはチームにとって大きな戦力だ。小屋松が今後さらに成長し、鳥栖のスター選手になる日もそう遠くない。