超攻撃的なDF・岩田智輝は守備でも大貢献。横浜FMに新風をもたらす

東京五輪世代で、2019年には日本代表デビューも果たした岩田智輝選手。大分トリニータの下部組織で育ち、「期待の星」としてトップに昇格すると、1年目から開幕スタメンを飾ります。当時J3に降格してしまったチームの躍進を支え、J2、さらに2019年からJ1と、チームとともに成長を続けてきた選手でもあります。

DFでありながら、アシストも多く最前線に飛び出していくことも恐れない超攻撃的DFと呼ばれています。五輪出場、日本代表選出、海外移籍と夢が膨らむ岩田選手の魅力をお伝えします。

岩田智輝選手は今年から横浜F・マリノスに完全移籍を果たしました。移籍も初めて、生まれ育った大分以外で暮らすのも初めてです。横浜FMのサッカーが、攻撃的な自分自身のプレースタイルに合っていると考えたからという移籍の決断でした。早速、開幕戦からスタメンで出場すると、リーグ戦5試合、カップ戦2試合と公式戦すべてに出場する(2021年3月29日現在)ほど、監督の信頼を掴んでいます。2020年に結婚し、21年3月には第一子が誕生するなど、公私ともに飛躍の時を迎えています。

岩田智輝のプロフィール

生年月日 1997年4月7日
国籍 日本
出身 大分県
身長 178㎝
体重 73㎏
利き足
ポジション DF・MF
背番号 横浜F・マリノス:24
タイトル J3リーグ優勝(2016年・大分)
AFC U-19 選手権(2016年・U-19日本代表)
SNSアカウント Twitter https://twitter.com/qrukq4c0b83fta1
インスタグラム https://www.instagram.com/iwata.tomoki29/

岩田智輝の経歴

攻守にバランスの取れたボランチ・岩田智輝の経歴に迫る。

地元・大分でどこでも経験した少年時代

3歳からボールを蹴り始めたという岩田選手が育ったのは大分県宇佐市。兄を追って入団した四日市南SSCには、兄の同級生である松原健(横浜FM)がいるチームでした。さらに先輩には日本代表GKの西川周作(浦和)がいます。岩田選手を含め3名とも大分トリニータでプロ選手になっています。

大分U-15、大分U-18で成長していく過程で、岩田選手は「GK以外のあらゆるポジションを経験した」と言います。小学生時代はよくあることですが、高校生になっても1年生でCB、2年生でボランチとFWを経験し、3年では再びボランチを務めるというのはレアケースと言えるでしょう。

こうした経験でポジションに縛られない大胆なプレーをする岩田選手の攻撃センスが育まれ、現在の超攻撃的DF像に繋がっています。

大分トリニータ プロデビュー、確かな成長

高校3年時には、2種登録選手として大分のトップチームの練習にも参加し、天皇杯で1試合に先発出場しました。(相手はなんと横浜FM) しかしこの年、チーム史上初となるJ3降格というタイミングに重なってしまい、岩田選手のプロとしてのデビューは2016年のJ3リーグ戦ということになります。

ルーキーとして開幕戦のスタメンの座を掴むと、19歳以下日本代表での離脱以外はコンスタントに試合出場を続けて1年でのJ2復帰に貢献しました。

ところがJ2に昇格した2017年は、怪我の離脱期間もあり春先を中心とした12試合出場にとどまりました。攻撃サッカーを目指す片野坂監督でしたが、J2での残留を目指すなかで現実に即した守備的な選手起用があったと言われています。

2018年は岩田と言えばオーバーラップと言われるほどに積極的な攻撃参加が開花します。リーグで最多の76得点をあげるチームの躍進に貢献します。とくに攻撃が膠着しているところで、後方から攻撃に加勢する選手がいれば数的優位になれます。もちろんリスクと隣り合わせの戦術ですが、タイミングよく攻撃に参加する岩田選手のスタイルは大分の大きな武器となりました。守備にも素早く戻る豊富な運動量があればこその戦術だったと言えるでしょう。J2リーグを2位で終えたチームは、6年ぶりのJ1復帰となります。

2019年、岩田選手自身初めてのJ1挑戦となりましたが、開幕当初から攻撃的な戦術がはまり、苦戦必至と予想されていた大分は旋風を巻き起こします。3バックの右として開幕からハイパフォーマンスを見せていた岩田選手は代表でも活躍し、U-22日本代表の活動に加えて、夏のコパアメリカ(南米選手権)もメンバーにも選ばれます。若手主体とはいえ、日本代表初選出され、2試合に先発しました。

横浜F・マリノス 初めての移籍、東京五輪と海外移籍を見据えて

大分一筋だった岩田選手のもとに、2年連続で届いたのは横浜FMからのオファーでした。かねてから、アンジェ・ポステコグルー監督が志向する攻撃サッカーが自分自身にも合っていそうだと感じていたために移籍に心動いていきます。

もう一つ決め手となったのは、幼馴染でもある同郷の先輩、松原健選手の存在でした。「横浜FMはとてもいいチームだし、絶対にプラスになるから移籍した方がいい!」と背中を押してくれたといいます。実は松原選手は右サイドバックで、ポジションとしては直接のライバルになるにもかかわらず、熱心に誘ってくれたことで「決断できた」と言います。

上述した通り、高い適応力を示して開幕から存在感を発揮して全試合に出場中。またポジションも3バックの右CB、4バックの右SB、さらにボランチと、ユーティリティさをいかんなく発揮しています。

日本代表・五輪代表の舞台に挑む

岩田選手が先に見据えるのは、海外で活躍する自身の姿。そのためにも五輪代表、日本代表のメンバーに選ばれたいと考えています。ただし五輪は本大会メンバーがわずか18名で、これまでの招集の実績や他のメンバーを考えると当落線よりやや下というところでしょう。U-22日本代表に呼ばれたのは、2019年秋の北中米遠征のときが最後で、怪我で途中離脱となってしまいました。同じ横浜FMからはMF渡辺皓太、FW前田大然なども注目されていますが、彼らとも力を合わせてリーグ戦で圧倒的なパフォーマンスを見せて逆転で選出されることをモチベーションに戦い続けるしかありません。

岩田智輝のプレースタイル・特徴

大分トリニータから横浜F・マリノスに移籍した岩田智輝のプレースタイルに迫る。

攻守にバランスの取れたボランチがハマリ役

岩田選手は大分で最終ラインでプレーしていたために、横浜FMでも3バックの右、または4バックの右SBが既定路線とされていました。しかし、開幕早々にアンジェ・ポステコグルー監督は、2ボランチまたは1ボランチに岩田選手を起用し「プロ入り後初めて」と本人が語ったものの、これが素晴らしい結果をもたらしました。

このあとにも詳しく触れますが、岩田選手の攻守における持ち味が発揮されるようになりました。もちろん本来のDFのポジションでもチームの勝利に貢献しており、岩田選手のユーティリティ性が生かされています。

スペースに飛び出す攻撃参加が持ち味

超攻撃的DFと呼ばれるゆえんですが、攻撃参加に積極的です。素晴らしいのは、味方の攻撃を助けるタイミングの良さでしょう。サイドハーフの選手を追い越し、スペースに入り込む。堂々と敵陣深くまで入り込む姿は勇敢そのもの。高校時代にFWを経験していたこともあってか、シュートも意欲的ですし、ビッグチャンスでも落ち着きを感じさせます。

とくにクロスの精度も高く、縦パスを通す思い切りの良さ、度胸もあります。早くも、ポステコグルー監督が推進する、勇猛果敢なプレースタイルを体現している選手になりつつあります。

対人守備が強い上に運動量豊富

攻撃力がフィーチャーされがちですが、DFとしての基本的な能力の高さも折り紙付きです。とくに対人守備の強さは、最大の特長と言っていいでしょう。ボールの奪取能力が高く、体の当て方に天性のうまさを感じさせる選手です。178㎝と大柄ではないため空中戦では不利なのは否めませんが、地上戦での勝率はかなりのもの。

また攻撃参加が多いだけに、後方のポジションを空けてしまうことがありますが、これも味方に任せるだけでなく、積極的に上下動を繰り返す運動量があります。

ロングパスも、縦へのパスも精度が高い

横浜FMで後方から縦のパスを入れるのがうまいのは、日本代表でも畠中槙之輔、さらに扇原貴宏という選手がいます。いずれも攻撃陣のスピードを生かすためには欠かせない武器です。

ここに岩田選手が加わりました。縦パスの出どころを抑えるのが、守る上での基本的な作戦ですが、すべてを封じるのは無理です。岩田選手の加入によって横浜FMの攻撃を防ぐ難易度はさらに上がったと言えそうです。

ロングパスも正確で、左右両方の足で高精度のキックが出せるのは、とくに重宝される存在になりそうです。

何気ないロングパス1本でも、ターゲットの味方の足元に的確にボールを届けることで、スタンドがどよめくような選手です。

岩田智輝の今後について

東京五輪世代の岩田智輝の今後とは。

横浜F・マリノスについて

横浜FMの厚い選手層にもかかわらず、移籍直後からレギュラー組でプレーしています。最終ラインで3バックの右に入っても手堅い守備を見せていましたが、これまであまりプレー経験のなかったボランチで出場してからのほうがさらに光るプレーを見せています。鋭い縦へのパス、セカンドボールの回収、空中戦と、長くこのチームでプレーしているかのような落ち着きで、チームの好調を支えています。プレシーズンでの活躍や、期待する動きなど

移籍などの情報

実は横浜FMからは2年連続のオファーが届いていました。しかし一年目2019年のオフは、翌年に東京五輪が予定されていたこともあり「出場機会の確保を考えると大分でプレーした方がいいだろうと判断した」と岩田選手はコメントしています。2年越しのラブコールが実った背景には、兄のように慕う松原健選手の存在が大きかったということです。同じポジションを争う二人ですが、開幕から2選手とも好調を維持しており。リーグ戦では松原選手が右SBに、岩田選手はボランチで出場しています。同じピッチに立つことを一つも目標としていた岩田選手としては早々に達成したことになります。

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